死ぬまで海外ドラマ(死ぬ海)

アメリカ、イギリス、中国と欧州各国のドラマ。

『アウトランダー』(2014) [米英合作]  




『アウトランダー』(AXN) (Wiki)

内容

2つの時代、2つの愛。心を引き裂かれながら、激動の時代を生き抜く!
18世紀スコットランドにタイムスリップした看護師クレアの、愛と人生を描く超大作。
(公式より)


レビュー

・"18世紀スコットランド"を舞台にしているけど、「歴史もの」ではない。
・"タイムスリップ"設定だけど、「SF」(or「ファンタジー」)ではない。
・ただただ、メロドラマ。"ドロドロ"というか・・・"ベタベタ"
・強いて言えば「韓流時代劇」に近い作りではありますが、"史劇"としての躍動感・本格感は、あちらの方が遥かに上。
・"愛"を追求する念の強さや、"メロドラマ"展開の徹底性も。
・韓流がジェットコースターなら、アウトランダーは・・・のぞき部屋?
・まあ普通に"ソフトポルノ"とでも定義してしまった方が、すっきりはするかも。
・あえて言えば"リアリズム"ではあって、男女の「愛」や「性(さが)」を腰を据えて描写はしているわけですけど。
・根が志が低いというか無思想というか、要は通俗的なので、ただただ露悪的にしか見えない。
・つまり"ベタベタ"。(ダブルミーニング的?)
・金はかかってる感じだし作りはそれなりにしっかりしてるので、好きな人はいるでしょうけど。
・出来ればLaLaTVやってくれないか
・AXNの「押し」作として見てしまうと、裏切られた感が強い。取り残され感というか。(笑)
・見たくもないものを"腰を据えて"描写されても、拷問というか。
・なまじ"作りがしっかり"してるので、笑いも出来ないし。
・まあ見なきゃいいんですけど(笑)、一応「18世紀スコットランド」への興味があったので、見始めた行きがかりも含めて頑張って最後までは見ました。
・「SF」としては、ほんとにどうもならないですけど。
・せめてもう少し"行き来"してくれれば、一回帰れそうだった時に帰ってまた戻って来るという展開でもあれば、また違ったでしょうけど。
・新しい情報でも仕入れてね。
・あそこで踏み止まって"しまった"ことによって、一線越えて「メロドラマ」性格が決定されてしまったというのはあると思います。
「愛」以外見るべきものが無くなったというか。(笑)
・男には辛いドラマになったというか。
・だからどうぞ、"女性専門チャンネル"LaLaTVの方へ。(笑) [注]
・"愛"について真面目に少し言うと、導入部分の「現代」パート、"2つの愛"の内の最初の方の描写がかなり駆け足だったので。
・"引き裂かれる"感じがどうもぴんと来ないというか、あんな「夫」のどこに未練があるのか"ドラマ"が生まれる余地があるのかという、(ドラマ上)不適切な感じ方を呼び寄せていたところはあったと思います。
・単純に社会通念上の夫婦倫理とかは別にして。
・いい人か悪い人かという以前に、存在感が。
・なんか最初から、"セックス"以外は世間体メインで落ち着いている夫婦にしか見えなかったですし。
・「18世紀」版の彼は、勿論嫌んなるほどの"存在感"はありましたけどね。(笑)
・別人過ぎるだろうと。
・現代版も頑張れと。(笑)
・そもそもの問題としては、主人公の"クレア"に余り魅力も共感も感じられなかったというのもあります。
・"勝ち気"という以上に感じ悪いですし、"現代"の常識とのギャップに悩んでいるにしても、目の前の状況に対する反応が愚か過ぎて、自業自得な面が多かったと思いますし。
・もう少し"ヤンチャ"な感じの女優さんだったら、また違ったのかなあとも思いますが。
・可愛げというか。
・単に無駄に気位が高くて物分かりの悪い人にしか僕には見えなかったですけど、女目線だと違うのか。
・というわけで(製作の決まったらしい)シーズン2は見る気が無いので、もう総括してしまいます。
・...基本的には、"見終わった"ものから優先して、レビューを書いて行く予定です。


他の人の感想

コスプレ、年下男子、BL…女の欲望“全部入り”のドラマ『アウトランダー』(J・SPA)
 "感想"というよりは番宣ですが、逆に特徴が分かり易いのと、あちこちで盛んにこういう"売られ"方をしている作品なので、その典型として記念(?)に。
[終]アウトランダー シーズン1 #16「魂をあがなう」(シーサイド発 さん)
 こういうのが、標準的な見られ方、なのかな?
「アウトランダー」シーズン1・感想と評価[海外ドラマレビュー](ごきげんプラス! 映画や海外ドラマを楽しむブログ さん)
 "女性"の感想ではありますが、その視点を相対化した書き方にもなっていて、僕の"感想"のポジションも分かり易くなるかなと。(笑)

・・・ざっとググった限り、なかなか男の感想は出て来ませんね。むしろ曲がりなりにも最後まで見た僕は、酔狂者なのか?(笑)


[注]その内レビューもしますが、"LaLaTV"にも好きなもの高く評価している作品は沢山あります。あくまで全体の傾向性やイメージの問題ですね。・・・見る側の心構え(笑)というか。


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Posted on 2015/12/15 Tue. 21:01 [edit]

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『情熱のシーラ』(2013) [スペイン]  

もう少し行っときますか、アメリカ"以外"




『情熱のシーラ』(NHK総合) (Wiki)

内容

やけに美人のスペインのお針子が、対ナチスパイ組織のエージェントとして活躍する話。


レビュー

・公式サイト消すなや、NHK。
・本邦初公開の"スペイン"ドラマ、な、らしいんですけど・・・
・うーん、エキゾチックじゃねえ。(笑)
・言われなければ、アメリカか、せいぜいイギリス製作の、たまたま舞台をスペインに取ったドラマというくらいにしか見えないですね。
・そういう意味では、期待外れ。
・その分、見易くはあるんですけど。
・それなりにもっと伝統/馴染みのある、フランスやドイツのドラマに比べても、遥かに"普通"に見られる。
・まあ逆に"イタリア"のドラマとか、見づらくて挫折した経験があるので、本気のスペイン・ローカルはそれはそれで厳しいのかも知れないですけどね。
ブニュエル映画とかで見る限りは、倫理観とかほんと不思議な感じですし。
・ちょっと例が極端かも知れませんが。(笑)
・いずれにしても多分、これはスペインドラマ界(?)が、何かはっきりした"国際化"の意図のもとで作った作品なんだろうということは推測出来ます。
・その意図は成功はしてるんでしょうけど、逆にどうなのかなという。
・小成功が大成功を阻むのではないかという。
・つまりやっぱり"エキゾチズム"は英米圏以外のドラマの重要な武器ではあるので、これを見て「ああもっと"スペイン"のドラマが見たいな」とわざわざ思うかというと・・・
・うーんという。
・病みつきにはならない。"病"んでないから。
・韓流のようには。(笑)

・まあ強いて言えば、それなりにハードなシチュエーションでの一応"スパイ"ものであるのに。
・ヒロインがお気楽に(笑)惚れたはれたを繰り返す・・・というか、そこはきっちり明朗に(?)"メロドラマ"して来る安定感とかは。
・やっぱ"ラテン"のドラマなのかな、ラテンの劇文化が"支え"になってるのかなとは、思わないではありません。
・そもそもが町のお針子がそのまま社交界で一級に通用するような美人で、スパイ活動の隠れ蓑の為とは言え富裕層向けのオートクチュール店経営にあっさり大成功したりするのも。
・お気楽と言えばお気楽だし、不自然と言えば不自然なんですけど。
・ただそれをいちいち言い立てる気にさせない緩い安定感(笑)というのは、やっぱり"文化"なんだろうなとは思います。
・別に見ててストレスは無いですしね。
・そういう若干ご都合主義的な設定の中で、でも結構緊迫感のある人物描写もなされてますし。
・フランスやイギリスでは無理でしょうね、人物をリアルに描くのなら、舞台のリアリティがもっと厳しく求められるはず。
・アメリカなら、むしろこういう緩さもあるかも。
・まあ"ドラマ"としてもかなりかっちりしてますし、作りはかっちりリアリティは鷹揚という体質は、欧州大陸飛び越えてアメリカに親近性があるのかも。
・昔のアメリカ映画的?
・またはアメリカ映画が目指した、より広く、より"低い"大衆向けの劇作りの伝統に親近性があるというか。
・"核"に端的なパッションがあるからこそ、作れる構造かも知れない。
・「知性」ではなくてね。(英仏のように)
・とまあ、いささか大げさに論じてしまいましたが(笑)、普通によく出来たドラマではあると思います。
・それ以上のものではないですけど。
・当時の対ナチレジスタンス活動の様子とかは、興味深かったですが。
・そもそもスペインに対するナチスドイツの攻勢とか、意外と馴染みが無いですし。
・どちらかというと東欧&中欧がメインの場合が多い。
・まあそれもいち"ナチス"というよりは、「愛国」的活動全般のイメージの中に回収されている感じはしますけど。
・やはり、普遍的なメロドラマというか。
『風と共に去りぬ』にとっての、「南北戦争」という"舞台"という感じ。
ヒロインは美人なんですけど・・・ちょっと野暮ったい気がしましたかね、僕の好みからすると。(笑)
・それこそ"社交界"的には庶民的過ぎる気がしますし、逆に"レジスタンス活動家"としては、真剣味というか悲劇性が足りない気がしますし。
・ちょっと半端でしたかね。
・"敵"の大物を夢中にさせるリアリティが、そこに関しては、"足り"なかった気がします。


他の人の感想

情熱のシーラの第1回のあらすじと感想!セクシー?ネタバレあり!(ゴッピが気になる最近の話題 さん)
『情熱のシーラ』見てる人語りましょう(ガールズちゃんねる)
情熱のシーラ あらすじと感想一覧 全17話(韓ドラ大好きおばさんの「言いたい放題言わせてヨ!」 さん)

・・・どうもこれも、どうやら男が見てはいけない類のドラマだったようで。(笑)
ただまあ、最後の方がおっしゃってるように、そんなにこってりとはしてなかったと思います。十分見られる。
『アウトランダー』の方ははっきりと、"男が見るべきではない"作品だと思いますが。(笑)


Posted on 2015/12/16 Wed. 21:58 [edit]

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『ペニー・ドレッドフル ~ナイトメア 血塗られた秘密~』(2014) [英米合作]  

最近見たミニシリーズその1
Wikiだと"アメリカ"になってますが、諸情報から英米合作と判断。





『ペニー・ドレッドフル ~ナイトメア 血塗られた秘密~』(AXNミステリー) (Wiki)

内容

9世紀末ロンドンを舞台に、フランケンシュタイン、ドラキュラ、ドリアン・グレイなどゴシック小説から誕生した怪物たちが彷徨う禁断の世界。“ゴシック小説”の魅力が凝縮されたミステリー!
怪物集団に連れ去られたという美女ミーナが助けを求め、度々姿を現すのは、霊感が強く、親友でもあったヴァネッサ・アイヴスの前。しかし、それは本当に彼女からのSOSなのか、怪物たちの仕掛ける罠なのか?ヴァネッサと父であるマルコム卿、そしてヴァネッサに銃の腕を買われて加わったイーサン・チャンドラーが美女失踪事件の謎を暴いていく。 (公式より)


レビュー

・出演陣は個性的な美男美女揃い、"ゴシック"のムードは満点、演出も高品質
・ただ・・・それだけと言えばそれだけ。(笑)
・好きな人にはいいんじゃないでしょうかね。"ゴシック"とか、"耽美"とか。あるいは"ホラー"とか。
・僕はあんまり。特に"ゴシック"と"ホラー"に、興味が無いですね。
・ちなみに合理主義者だからではなくて、むしろ神秘主義者だからです。(笑)
・神秘主義者だからこそ、半端な神秘、雰囲気だけの神秘には、興味が持てない。
・本気で追求しているのならともかく。学理的に。(笑)
・"耽美"の方は満更嫌いではないんですけど、ただそれも"様式美""予定調和"と重なってしまうとちょっと。
・つまりはまとめて"ゴシック"ということでしょうが。
・こちらも"美"なら"美"で、"耽"なら"耽"で、もっと真剣に追求して欲しい感じ。何かが"生まれる"くらいに。(または壊れる)

・じゃあ嫌いかといわれると別にそんなことはないんですけどね。一応最後まで見ましたし。
・アクションシーンとかもシャープではったりが利いてるし、最初は"ムード"におっと思いましたが。
・でも割りとすぐに飽きました。(笑)
・はったりははったり。
エヴァ・グリーンさんは綺麗ですね。
エヴァ・グリーン1エヴァ・グリーン2

元ボンドガールイギリス人だそうですけど、頭が良くて凄くユーモアセンスがある感じで、"降霊会"のシーンなんてノリノリで楽しそうに、"憑依"を演じているように見えました。(笑)
お友達になりたいタイプ。(笑)
・シーズン2もあるそうですが、少し退屈だけど不快ではないし、またエヴァさんに会えるんなら見てみようかなという感じです。
・でも忙しかったら見ない。(笑)


他の人の感想

ナイトメア〜血塗られた秘密〜最終回 (SF・ホラー 海外ドラマ女子BLOG さん)

「最終回でどこまで完結するのか、どこまでの謎が解けるのか、ということで、何だかちょっと駆け足だった気がしないでもないですね。シーズン2に持ち越しのものがほとんどで、今となってみては長いエピローグのような気さえしてきました。」

確かに。僕はもう途中から眺めてただけなのであんまり気にしてませんでしたが(笑)、ストーリー的には意外とあっさりしていたというか、そんな"解決"でいいの?という感じでした。娘それでいいんだ?と。
だから逆に、"終わらせる"為の終わりかなと思ったんですけど、2があるならむしろ伏線なのか。"復活"するとか。(笑)

「ペニー・ドレッドフル 〜ナイトメア 血塗られた秘密〜」シーズン1を観終わった。ドラマでそこまでやるか!エヴァ・グリーンの演技が最高〜。 (ラヴ・ハリ映画日記〜ときどき海外ドラマ〜 さん)

へええ、この人は褒めてるんだ。『アメリカン・ホラー・ストーリー』も好きということは、ホラー・ファンなんですねえ、意外な趣味。
エヴァ・グリーンさんは勿論最高です。(笑)

ナイトメア血塗られた秘密のあらすじネタバレ感想 (わいわいニュース さん)

「正直、僕はついていけません 笑。テンポがイマイチ合わないんですね。やたら芸術的すぎる演出に凝りすぎの感もします。」

うん、これはこれで、当然の反応だと思います。僕もある意味そういう感想ですね。そういうものとして、楽しもうとはしていましたが。


意外と見てる人いたな。(笑)


Posted on 2016/07/02 Sat. 10:25 [edit]

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『お葬式から事件は始まる』(2005) [墺]  

お葬式から事件は始まる.jpg


"オーストリアのドラマ"という物珍しさだけで見始めましたが、めっちゃ面白かった。(笑)

『お葬式から事件は始まる』(AXNミステリー) (Wiki)

内容

お葬式には必ず事件が隠れている!
彼女たちの趣味は、お葬式への参列?!オーストリア発好奇心旺盛な女性たちが事件を解決!
アルプスにある架空の美しい村に住む4人の好奇心旺盛な女性たち、家庭菜園を愛する女性ユーリエ、パブの店長マリア、若きシングルマザーのサビーネ、そして最近村にやってきた“よそ者”のヘリエッテは、近所で誰かが亡くなると、お葬式に出掛けて行って、何か事件性があるのでは?と疑ってみるのが趣味。(公式)


レビュー

・間違ってNHKででもやらない限り、今後とも日本でDVD発売とかとんと無さそうな感じの(笑)作品ですが、早くもしっかりしたWikiが出来ているのは、一部に熱心なファンがいるのか。
・そういえばオーストリアでの放送局は「オーストリア放送協会」となってますが、これは日本で言うところのNHK(日本放送協会)だと、素直に考えていいんですかね。
・ていうか「オーストリア放送協会」のWikiがあるということ自体にも少し違和感があるので、ドラマそのものも含めてどうもオーストリア自体の普及工作員が背後で暗躍している、その一環なのではないかという、そういう勘も働かないではないです。(笑)

・かしましい女四人組がワイワイ事件を解決する一話完結のコメディタッチのミステリーで、どっちかというと日本なら"二時間ドラマ"の定番シリーズでありそうな感じの気楽な雰囲気の作品。
・ただまあ、"日本放送協会"でも、たまにこんな感じの飄々としたミニ・シリーズは作らないことは無いですよね。地味だけどちょいおしゃれな、大人が楽しんで見れる的な。
・主役格は向かって右側の怖い顔の人で、確かに気は強いんですけど男っぽくてさばさばとして、自分の欲望に忠実な憎めない人。頭は切れる。昔は美人だったらしい。(笑)
・他のメンバーは右から都会派のプチセレブマダム、地元の顔役的おばさん、一番の若手のお色気担当(笑)という、そういうラインアップ。
・この4人が村(近辺)で起きる事件を、全く頼りにならない駐在警官を差し置いて、ちょいちょい法律も無視しながら勝手に解決して行く、そういう話。

・基本的な持ち味としては上でも言ったように"二時間ドラマ"的な人情通俗ミステリーで、恐らく本国での人気もそういうものなんだろうと思いますが。
・しかし"日本人"視聴者である僕にとって更に面白いのは、その独特の雰囲気、"異教"感。
・"異教"・・・というのはつまり、オーストリアという「キリスト教」社会の辺境、でも東方正教会までは行かない何とも中途半端な位置、そこから出て来る表立って逆らうわけではないんだけど、全くもってお座なりにしか尊重されない、キリスト教倫理観との距離感という、そういう意味です。
・劣等感をバネにした、屈折した解放感というか。
・どうせクソ田舎なんだから、一応キリストさんの顔は立てるけど、後は勝手ににやらせてもらうよという。
・まあそう意識しているわけでは必ずしもないんでしょうけど、英米仏とかでは決して見られない、独特の"薄い"キリスト教感。
・キリスト教に「反抗」したりするような価値観は、逆に英米仏の方には見られるわけですよ。あるいはお隣のドイツだと、同じく本質的には辺境なんでしょうけど、だからこそ「ちゃんとしなきゃ」という緊張感がある。
・"TVドラマ"としても、ドイツものの基本は「いかに英米に近づけるか」という、そういうベクトルで作られているように、これまで見たものからは感じられます。
・でもオーストリアまで行っちゃうと・・・この作品の場合は・・・もう"投げてる"感じ。居直ってるというか。(笑)
・アタシたちゃ骨の髄まで田舎もんと。
・今まで見た中で似たような距離感、違和感のある作品としては、『マクベス巡査』

マクベス巡査.jpg

とかがそうでしたかね、スコットランドの田舎町を舞台とした。(はてなキーワード)
・あっちはもう少し、怖かったかも知れません。同じ"忘れられた辺境キリスト教社会"でも、スコットランドの場合はイングランドとの対立の記憶がまだリアルですから。
・オーストリアの場合は直近の"大勢力"としてはドイツがありますが、ドイツ自体がそもそもキリスト教文明の辺境なので、そこの更に辺境であるオーストリアの"田舎"感は、絶望的な感じ。(笑)
・だから逆に、明るくもあるんですけどね。諦めた明るさというか。
・そういう感じの、作品。
・ふざけてると言えば、とことんふざけています。(笑)

・ただドラマとしては、別にふざけて(笑)はいないと思います。
・"二時間ドラマ"的なかっちりした力強い娯楽性を抑えつつ、しかしでも単なる"職人"的な作りでもない。
・筋運びとしては職人的だけど、描写の部分は意外と作家的かなと。そういう緊張感はあるというか。
・僕がクドクドと説明した文化史的なナニも、ある程度は意識して作られてるのではないかなと。
・...何せ(文化的に)遠いので、確かなことは分かりませんが。(笑)
・とにかくけれんみの無い娯楽作品としての筋運びの切れの良さと、かつ上記の"キリスト教的"偽善を飄々と振り切るそういう描写の切れの良さとあいまって。
・見ててストレスが全く無いんですよね。
・出演者(キャラクター)も一人一人、魅力的。・・・女はね。(笑)
男はほぼ全員、馬鹿ですけど。(笑)
・それがまた、角が立たずにいいのかも知れない。
・"常識"担当(男)と"非常識"担当(女)というか。
・とにかくかなり、気に入りました。シーズン7まであるそうで、楽しみです。
・やってくれればですけど。(笑)
・ウケてるのかなあ、誰か見てるのかなあ。心配です。(笑)
・とりあえずは、紹介まで。

"他の人の感想"は、無し。まだ、なのかこれからもなのか。(笑)

[8/23追加]

『お葬式から事件は始まる』 Vier Frauen und ein Todesfall (2005-) (居ながらシネマ さん)

ロケ地について。
「このあたりは『サウンド・オブ・ミュージック』のロケ地が点在しています。」
だそうです。そう言われればそんな感じも。(笑)
オーストリアはウィーン以外はだいたいそんな感じ?そうでもないのか?(笑)


Posted on 2016/08/16 Tue. 22:49 [edit]

category: その他の国のドラマ(及び合作)

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『ENDGAME 天才バラガンの推理ゲーム』(2011) [加]  

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『ENDGAME 天才バラガンの推理ゲーム』(fox スポーツ&エンターテイメント) (Wiki)

内容

ロシア出身の主人公、アルカディ・バラガンは、その世界では誰もが知るチェスのチャンピオン。大会を控え滞在していたバンクーバーの高級ホテルの前で婚約者の乗る車が爆破され、心に大きな傷を負ってから数ヶ月。事件のショックからパニック障害に陥ったバラガンは、ホテルから一歩も外に出られなくなってしまう。
スイートルームで悠々自適な生活を送るように見える彼だが、滞在費はかさむばかり…。ある日、そんなバラガンに事件捜査への協力依頼が舞い込み、報酬のために受け入れた彼は、持ち前の頭脳で天才的推理力を発揮。
チェスゲームさながらに先手を読み、自分のファンやホテルスタッフをチェスの駒のように動かす。変わり者だらけの犯罪捜査チームと共に驚くべき頭脳戦を展開、あらゆる事件を解決へと導き、やがて婚約者殺害事件の謎にも迫っていく! (公式)



レビュー

企画(設定のユニークさやテーマの斬新さ) ☆☆☆★★

"ホテルのスイートルームを一歩も出ないで事件を解決する安楽椅子探偵"という設定は興味を引かれるけど、実際は「チェスゲームさながらに先手を読み、自分のファンやホテルスタッフをチェスの駒のように動かす」知的推理というよりも、"天才"の心象風景がモニョモニョと描写されて、何だか分からない内に閃き一発で答えが出て来る感じで(笑)、およそ緊張感は濃いとは言えない
ただ"ホテルのスイートルーム"という設定自体は結構生きていて、高級ホテルの業務のシステムや従業員たちの人間関係を、自分が(金銭的になかなか出来ない)長期滞在者となって眺めている感じの方が、むしろ面白かったです。

ストーリー(展開の面白さ、または内容の意味深さ) ☆☆☆★★

"ホテル"や"チェス"に絡めた事件の仕込みは毎回結構面白いし、"解決"の納得感も十分なのだが、全体的にシリアスさが足りないので、あんまりワクワクはしない。(笑)
よく見ると"人間学"的に深い・・・ような内容も含まれてはいるようなのだけど、どうも一つ一つがストレートに突き刺さって来たりはしない。
ただその中で、第11話「命を賭けた勝負」(Mr. Black)は例外的。

すげえ、感動してるな、当時(笑)。ちなみに人質を取られて脅されながら、チェスの勝負をするですね。
"例外"と言っても、これだけが面白いということではなくて、むしろこれだけが「本気」を出したエピソードということなんだろうと思います。それまでのらりくらりやっていた、同じものを。
逆に多分、常に本気だと重くなり過ぎる内容でも実はあって、そこらへんのさじ加減に苦労or工夫した挙句が、この分かり難いというか回りくどい面白さという。
これはこれで嫌いじゃないですが、いっそシリアスに徹した方が、爆発した可能性はあったのかなと。

人物(キャラクターの魅力、あるいは心理描写の妙) ☆☆☆☆★

上のツイートにもあるように、主人公バラガンはいいやつなんだかやなやつなんだか分かり難い人ですし、他の登場人物も概ねそう。"ストーリー"としてはそうした分かり難さはどちらかというとマイナスに働いた部分もありますが、「人物描写」としてはよりストレートに、深みやリアリティ、大人向けの成熟した描写の魅力として、おおむねプラスに働いていたと思います。
特に女性陣は魅力的ですね。バラガンの親友的な位置にあるホテルのバーを仕切ってる美女ダニーの、"水商売"の人らしい物分かりの良さやキップの良さ、一方で情が厚くて意外と根が真面目でいじらしい性格。それから毎回事件解決に意外な大活躍をするホテルメイドアルシナの、苦労人らしい人間通の、"何でも知ってる"感と、見かけによらないフットワークの軽さ。
いずれも実はある種「類型」的なキャラだとは思うんですが、生き生きとよく描けていて楽しかったです。

演出(テンポの心地良さや雰囲気に引き込む力) ☆☆☆☆★

上で言ったような内容の意外な重さと企画として目指す軽妙洒脱さ、複雑でもありかつ類型的でもある人物たちを上手く動かすこと、結構難しいバランスだったと思いますが、よくとまっていると思います。
・・・正確には、まとめ"過ぎ"ないようにバラケ過ぎないように、ぎりぎりのラインでまとめたというか。
全体的には、主人公がロシア人ということもあって、この前紹介した(オーストリアの)『お葬式から事件は始まる』にも通じる、ローカルというかエキゾチックというか、どこまでが狙いなのかどこまでが天然なのか、なかなか日本人には分かり難い不思議な情緒が漂っていて、それが魅力でした。
製作自体はカナダのメジャーな実績局(ショウケース)によるものなので、全部ひっくるめて計算ではあるんでしょうけどね。"不思議"なものとして、提供しているというか。

凄く盛り上がった・・・わけではないんだけど、「傑作」・・・の部類に入れてもいいのかなあ、どうなのかなあという感じの作品。(笑)
まあ大人向け、ではあると思います。青少年は、無理に面白いと思わなくてもいいよというか。


他の人の感想

☆ドラマ「ENDGAME~天才バラガンの推理ゲーム~」 (月の出ない夜だから さん)

「・・・私は好きでしたよ、私は(^-^)」
「これは俗にいう、打ち切り、ということなんでしょうか?」
「つまらないドラマではないと思うんだけどなぁ・・・。」

なんか分かります(笑)。面白いけど人気出るのかなあと、心配になるタイプの作品ではあります(笑)。とりあえず本国では続いているようですね、日本でやるかどうかは知りませんが。

ENDGAME 天才バラガンの推理ゲーム (たちばな・ようの映画日記 さん)

「バラガンは、チェスはうまくても、捜査に天才的なひらめきがあるわけではなく、ちょっとしたきっかけで犯人を割り出すだけなので」
ああ、なるほど。そういう言い方も出来るか。
確かに結構偶然頼みというか、他のキャラの発言をヒントにみたいなパターンも多いですね。それも含めて、一応"天才的"には見えましたが。(笑)

「先日見終えたドラマ「ベガス」の後半に登場したFBIのバーン捜査官のアップになった横顔を見て、「バラガンだ!」と気づきショック...。」
へええ、全然気が付かなかった。今度見てみよう。

Endgame〜天才バラガンの推理ゲーム (独断映画評+(毒本音吐いちゃいな!) さん)

「主人公の天才チェスマスターの顔が好きじゃないし、常に裸足なのが気持ち悪くてしかたがない。」
そういえば裸足でしたね(笑)。多分その微妙な"不潔感"まで含めて、キャラ設定なのかなあとか。"金田一耕助のフケ"じゃありませんが。そう簡単に感情移入はさせんぞおという、ひねくれた演出意図。(笑)

「ラグジュアリーなホテルの内部を楽しむ という見方もありだな、と思う。」
ですね。


思ったより、見てる人いました。(笑)


Posted on 2016/09/01 Thu. 15:34 [edit]

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『ワイン探偵ルベル』(2011)[仏]   

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『ワイン探偵ルベル』(AXNミステリー) (allcinema)

内容

ワイン大国フランスならではの美しいワイナリーを舞台に、成熟したワインの知識を持つ "oenologue"(エノログ:ワイン醸造技術管理士)であるバンジャマン・ルベルが、犯行現場に残されたワインの中から事件の謎を解く鍵を見つけていく本格ミステリー。 (海外ドラマNAVI)


レビュー

癖が無くて見易い。
・"フランス"ものですが、そんなに「フランス」や「ラテン」を強く主張して来るわけではなく、一方で有名な『女警部ジュリー・レスコー』のように"アメリカ""国際"に寄せて、逆に時々"フランス"が引っかかる垢抜けなく見えるということも無く。(あれはあれで好きですが)
・あくまで自然体で、フランス人がフランスを舞台にミステリードラマを作ったらこうなりましたという感じ。
・...”自然体”と言っても、多分"素朴"ではないと思うんですけどね。
・「自然体」に見えるような、バランス感覚というかプロデュース感覚を働かせている、あるいは"フランス"という素材をきっちり消化した上で、「ミステリードラマ」の普遍的な枠組に上手に流し込んだという、そういう印象・気配。
・ただ出来上がりはそういう"努力"の後を余り見せずに、あくまで自然に優雅に、ある意味「フランス」「ワイン」という紋切型的イメージというか、市場のニーズに満点に近い形で応えているという、そういう感じの作品。
・特別注意を引くという感じてもない(笑)んですけど、見ている間はきっちり楽しめます。
・その一方で主要登場人物は、"エノログ"である主人公を筆頭に、恋人の大学教授(上右写真)やら助手の化学者やら、ワインに関わる知的人種が多いので、"俗"な印象もあまり受けない。
・まあなんか本当に、上手く出来てるというか美味しいとこどりというか。
・そして...美女が多い(笑)。嵐というか。
・捜査側も、犯人側も、ついでに被害者側も、これでもかというほどフランスの国民的資源を投入して来る。(笑)
・はっきり言って作為的ですけど、楽しいからいいです。(笑)

・レギュラーだとやっぱり、助手のマチルド役の人かな?カトリーヌ・ドマフェ(Catherine Demaiffe)さん。
ルベル3.jpgCatherine Demaiffe.jpg

・作中ではもっと、"学生"的な印象が強かったですが。憧れの"院生"のお姉さんというか。リケジョ。(笑)
・ただまあ、とにかく余り必要の無さそうなところまでどんどん美女をぶっこんでくるので、あんまり誰という感じでもないです。"あの回のあの役のコ!"みたいな(笑)。いちいちよく覚えてないというか。(笑)
・そんな感じで、気楽に楽しめばいい作品だと思います。ワインうんちくでも学びつつ。

他の人の感想

ワイン探偵ルベル(原題:Le sang de la vigne)#1、2 (粉雪の日々是、ドラマ さん)

「海外だと、こういった演技達者の俳優が主役を演じるから、年配男がモテモテでも、全然不自然に思えないんだよなあ(体系はおっさんなのに、何故かカッチョ良く見えるしね)」
なるほど。(笑)
このドラマの見易さの一つに、主人公がいい意味であんまり"気にならない"というのはあると思いますね。カテゴリーとしては、"クセのある濃いオッサン"なんですけど。演出意図、なのかなあ。

ワイン探偵ルベル (洋画・洋楽・海外ドラマ好きの戯言 さん)

「フランス語なんで観ていて途中で眠くなるかな~と思いきやこれがなかなか面白い」

皆さんとにかく、"意外と面白い"と、気楽に楽しんでおられるよう。
書いている人も結構いて、密かな人気ドラマなのかなと。あんまり"爆発"する気配は無いですけど。(笑)


Posted on 2016/09/21 Wed. 23:59 [edit]

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『スウェーデン国家警察特捜班』(2011)[スウェーデン]  

スウェーデン国家警察特捜班1.jpgスウェーデン国家警察特捜班2.jpg


『スウェーデン国家警察特捜班』(AXNミステリー) (allcinema)

内容

スウェーデンの作家アルネ・ダールの原作によるミステリー。
国民を震撼させている大事件を一刻も早く解決するべく、国家刑事警察の特別捜査班が編成された。職務規定違反の疑いで内部調査を受けていたポール・イェルムをはじめ、それぞれに事情をかかえる刑事6名により、精力的な捜査が始まった。 (amazonより)


レビュー

・基本的には、型通りというか定番の、"特捜班"もの。
・それをスウェーデンでもやってみました、という感じ。
・最近人気の北欧ドラマですが、後発ゆえにどうしてもこういうパターンは多くなりますね。少なくともしばらくは。
・このドラマは特に、どうも見てて"特捜班"の性格が今一つはっきりしなくて、「型」感の印象は強いです。
・何で編成されたのか、招集した女ボスは何者なのかどの程度の人なのか、ぼんやりしたまま話を追ってる感じ。
・特に"女ボス"が凄い人なのかどうかは、最後まで気になりました。
スウェーデン国家警察特捜班3.jpg
・どういう目で見ればいいのかどの程度期待したらいいのか。

・一方で逆に、"定番"への馴染み感は、意外とスムーズ。
・「個性的」ではないけれど、"後発""スウェーデン"という特殊性は、ほとんど意識させませんでした。
・メンバーは総じて地味な印象ですし、さほど念入りに"登場"エピソードが用意されてもいませんが、見続けている内にしっかりそれぞれに面白みは出て来ます。
・主人公格の人と"紅一点"的な人。
スウェーデン国家警察特捜班4.jpg
寝ます(笑)。(こら)
・ただしくっつきません、この女の人はもっと複雑というか、"マドンナ"ではなくて"もう一人の主人公"という感じで、色々と引っ掻き回します。
・僕はIT係の人が好きですかね、二番目の集合写真の中央の眼鏡の人です。
・"IT係"なのに一番人間味があるというか(子沢山のイクメン(笑))、まともでかついざとなると熱い人。
スウェーデン国家警察特捜班5.jpg

・全体のバランスとしては、主人公にもう少し分かり易い「切れ者」感が欲しかったですかねえ。
・ボスの謎さ共々、班の性格の曖昧さ・地味さの、一因になってしまっていると思います。
・なんかあんまり褒めてない気もしますが(笑)、新しいシリーズをやってたら必ず見るだろうというくらいには、好きです。
・尚ボスは交代してもいいです。(笑)
スタートが地味な分、徐々にそれぞれが能力を発揮し始める感じが、面白かったかな?


他の人の感想

スウェーデン国家警察特捜班 (日向ぼっこ猫 さん)

「公式サイトにいったら、フルティーン(女ボス)が原作では男性だったと説明があり」
ああそうだったのか。それでちょっと、造型が曖昧なのかな。

スウェーデン国家警察特捜班 #3~#4 (がーりーまにあ さん)

「個性豊かで過去ゴタゴタがあったようだけど、特にお互い干渉しあうこともなく、協力関係を築いている特捜班がいたって普通に描かれて、そこが何というか、とてもきれいだった。」
それ自体は同感。ただこのドラマの場合、それがどこまで狙いなのか技法なのかは、ちょっと疑問。
若干単に演出or筋運びに失敗してるだけという疑惑も(笑)。本質的には、"強め"のキャラものなのではという。

・・・そう言えば最初の人も、

「北欧ドラマは陰惨な事件が多い印象だが、このシリーズは『キャラもの』になっているように感じる。(中略)各キャラの細かい背景や心情の書きこみがあるので、普通のドラマにも見えるのではないかと。」
と、書かれてますね。

こちらも見た限り、意外と人気がありそう。
比べると『クロッシング・ライン』は、何であんな評判悪いんだろうなあ。(独り言笑)


Posted on 2016/09/22 Thu. 18:11 [edit]

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『コペンハーゲン/首相の決断』[デンマーク](2010)  




『コペンハーゲン/首相の決断』(スーパードラマTV) (Wiki)

内容

デンマーク初の女性首相を主人公にしたヒューマンドラマで、首相として厳しい決断を強いられながら、家庭生活との両立にも葛藤していく姿が描かれている。
デンマークのテレビアワードでは主演女優賞、作品賞を2年連続で受賞。また英国アカデミー賞(BAFTA)作品賞、放送界のピューリッツァー賞と呼ばれるピーボディ賞も受賞している。 (公式より)


レビュー

・シーズン3までありますが、内容は大きく主人公の首相時代を描いたシーズン1,2と、いったん引退後新党を立ち上げたシーズン3とに分かれています。
・"首相の決断"という決断も、1,2に対して付けられたもの。
・で、僕はシーズン1,2はあんまり乗れなくて、でも期待せずに見たシーズン3はかなり面白くて興奮しました。

・まずシーズン1,2に関してですが、ストーリーはともかくとして、はっきり言って主人公(ヒロイン)が好きになれませんでした。
・それも"嫌い"とか"反発を感じる"とかいうよりも、しっくり来ない、性格がはっきりしなくて関心が持てないという、そういうタイプ。
・"愛情の反対としての無関心"というか。(笑)
・何でしょうね、母性的なんだかこわもてなのか、はっきりしないルックスのせいですかね。
・どっちにしても、"突き抜ける""振り切る"瞬間が無いんですよね。
・そういう「ハッ」とさせる瞬間があって、初めて架空の人物に興味が持てるというか、感情移入出来るというか。
・政策的にはまあ所謂リベラルというか、「理想主義」方向なんでしょうけど、それ自体にどうもリアリティが無いというか、とりあえず言ってるだけというか。
・「嘘」とか「腹黒い」とかではないんですけどね、そもそも「腹」が無いか、あるいは「腹」と対照すべき「顔」のインパクトが弱いというか。
・だからストーリー上の一つのハイライトであるはずの、「理想家」ビアギッテが苦渋の決断で「現実」的妥協をする、あるいは政敵相手に策謀をめぐらす、ある意味"悪に染まる"瞬間も。
・どうも心を動かされないというか、ことここに至ってもまだ上っ面に見えるというか、"本心""本性"が見えないというか。
・もしビアギッテ・ニュボーが実在の人物なら、自分の"本心"を感知出来ない頭でっかちの性格が"本性"だと、心理学的には(笑)分析するところですが。
・あくまでこれはフィクションであって、かつ脚本も別にそういうつもりで性格描写をしているようではないので。
・僕から見ると、その面では単なる失敗作に思えました。
・ただデンマーク政界内外の行き届いた丁寧な描写は普通に面白かったので、ドラマ全体としてはまあ、さほど退屈せずに見られました。
・熱中はしなかったですけど。(笑)

・からの、シーズン3。
面白かった
・一番の要因は、"新党を一から立ち上げる"というストーリー自体が珍しいもので、かつその描写が克明を極めていて圧倒的に興味を引かれたということだと思います。
"始める"のは楽しいですよね、RPGでも、SLGでも。(笑)
・そういう楽しさもあった。一人一人旅の仲間が集まり、装備や施設が充実して行く。(笑)
・ただそれだけでなく、あるいはそれゆえに、僕がシーズン1,2で感じていた"弱点"も、大きく改善されていた。
・いったん権力を手放し"昔の名前"になって、当てにしていた元の党や昔のつての助けも思うように得られなくなって。
・最早持っているものはプライドと大義名分だけになったビアギッテが、逆にその状況で生き生きとし出したというか、"上っ面"なりに振り切れたというか。(笑)
・急に人間らしく(笑)見えて来て、好きになって行きました。
・...逆に"病気"ネタは要らなかった気がしますけどね、ひたすら「闘士」としての、前向きな"人間味"だけで行って欲しかったというか。
・ひょっとしたら僕が1,2に感じていたような不満を感じている人がスタッフの中にもいて、それで"人間味"を出す為に「病気」という弱みをセットしたのかも知れませんが。
・あにはからんや"強さ"の方で、既に「人間味」が出ていたという。(笑)
・まあそれはどうか分かりませんけど、とにかく不利な戦いを果敢に繰り広げるビアギッテ・ニュボーは十分に魅力的で、逆に"妥協"にも重みを感じました。
・「政治ドラマ」としても、要は政権内外のメロドラマではあった1,2よりも、格段に「構造」そのものが厳しく問われていて、面白かったです。


・・・せっかく1,2と3で「評価」が分かれてるので、久しぶりに"☆"でもつけてみますか。(笑)

シーズン1,2

企画(設定のユニークさやテーマの斬新さ) ☆☆☆☆★
ストーリー(展開の面白さ、または内容の意味深さ) ☆☆☆★★
人物(キャラクターの魅力、あるいは心理描写の妙) ☆☆★★★
演出(テンポの心地良さや雰囲気に引き込む力) ☆☆☆★★

上から、寸評。
・「政治ドラマ」「女性首相」という、骨太・シリアス設定の正攻法ぶりには、敬意を表する。
・様々な側面を満遍なく取り上げてはいるけれど、それ以上でもないという感じ。
・上に書いた通り、主人公に魅力が無い。
・破綻なく描写されてはいますが、"ストーリー"同様それ以上のものではないというか、"北欧ドラマの定型"感も。

シーズン3

企画(設定のユニークさやテーマの斬新さ) ☆☆☆☆★
ストーリー(展開の面白さ、または内容の意味深さ) ☆☆☆☆☆
人物(キャラクターの魅力、あるいは心理描写の妙) ☆☆☆☆★
演出(テンポの心地良さや雰囲気に引き込む力) ☆☆☆★★

寸評。
・多分シーズン2で一区切りついての新展開だったと思いますが、いやあヒットでしたねえ。
・企画がはまったことによってやりながら次々と"宝の山"を掘り出して行った感じで、面白いエピソードてんこ盛り。
・基本的に1,2とやってることは同じだと思うんですけど、主人公の(僕への)見栄えの差で。(笑)
・基本1,2とおんなじ。(笑)


他の人の感想

えーと・・・。
沢山感想はありました。基本的に、全部褒めてありました。
ただこう言ってはなんですが、"全部"ということに表されているように、どうも僕には、通り一遍の感想ばかりに思えました。
「女性主人公/政治家だからかっこいい、応援する」「政治的駆け引きが興味深い」「北欧ドラマ」
大別すると、この三つですかね。
再びこう言ってはなんですが(笑)、宣伝文句通りというか"企画書"に書いてありそうというか、一つの「作品」として、各々に"個人"的に鑑賞されている様子が感じられなかったです。
何というか、"あるレベル"でのみ見られているというか、その"レベル"を僕は物足りなく白々しく感じて、それを象徴しているあるいは"元凶"なのが(1,2における)ビアギッテの人物像なのではないかと、僕の観点からはそうなります。

喧嘩売ってますかね(笑)。まあとにかく、とりあえずシーズン3は、ほんとに面白いです。(笑)


Posted on 2016/10/21 Fri. 19:29 [edit]

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『トンイ』[韓](2010)  





突然の韓流ですが、びっくりしないで下さい。(笑)
"2010年"の作品ということで、順番が来ただけです。(笑)


『トンイ』(NHKBSプレミアム) (Wiki)

内容

英祖(朝鮮王朝第21代王)の生母であり、粛宗(第19代王)の妃であった賤民出身の淑嬪崔氏の波乱万丈の生涯と、英祖の成長過程をドラマ化。(KNTV公式)
監察府の女官であるトンイを主人公に繰り広げられる王宮内の権力闘争や人間模様を描いた作品である。(Wiki)


レビュー

・・・過去に一度、別ブログでいくつか個別のポイントについて掘った文章を書いたことがあります。

 『トンイメモ(’12.11.24追加)』

その時書いた、『太王四神記』『チュモン』も踏まえての、韓流時代劇一般についての感想。

・やはりこう、”フィジカル”が強いよね、韓国モノは。
・思わず基本に帰らされるというか。
・権謀と愛憎のクドいほどの泥沼の中で、いい人を”いい人”に描く精彩というか力強さが、例えば日本の時代劇と比べても際立ってる。
・いい意味で古典的というか、中途半端にモダナイズされていないというか。”本気”度が高い。
・単純に腕がいい。職人的な意味で。
・”センス”に逃げずとも、戦える腕力がある。

ここらへんをベースに、改めて全体の感想を。


・ちなみに韓流"現代"劇の方は、さすがに男の身で真面目に見るのは辛いものがあるんですが、ただ基本は同じ、基本の作りは、"時代"劇と変わらないと思います。
・その同じ作り方が、時代劇だとより素直に映える、素直に見られる、とも言えるし、時代劇なら映えるような古典的なドラマツルギーを、現代劇でも臆面も無くやり切ってるのが所謂"韓流ドラマ"だと、そういう言い方にもなるかと思いますが。
・そういう意味では原始的で素朴ではあるわけですけど、しかし原始的で素朴であるからこそ、あるいは"原始的で素朴"な条件下で鍛えられているからこその基礎体力というものは、日本よりもかなり上に感じます。
・日本のTVドラマの方が変化・バリエーションはあるけれど、何をやっても結局へなちょこで見ていられないので、こうして僕は"海外ドラマ"に走って(笑)、海外ドラマブログなんぞをやっているわけで。
・韓流は韓流であって、「海外ドラマ」と分類されると少なからぬ抵抗はありますけど(笑)、ただ少なくとも韓流時代劇を見ている時に日本のドラマを見ている時のような"へなちょこ"の不満を感じることは無いわけで。
・演出や脚本の基礎体力、基礎技能に。
・"演技"の方は、国籍・言語が違っちゃうとなかなか判断しづらい面はありますが、それでも日本のドラマのように無理くり人気者を使い回して、ハマってねえなあ、無理あるなあみたいに感じることは無い。(少なくとも時代劇では)
・しばしば大げさな芝居でもパターン化された芝居でも、押し切ってしまう底力を、それぞれに感じる。
・そういう意味ではやはり、「海外ドラマ」としての資格は備えているわけかな?僕にとって。
・...ああ、結局ジャンル論になってしまった。作品論をしなければ。(笑)

・ただこの作品自体、そういう韓国ドラマ、韓流時代劇の"長所"を結集したというか、「純化」したようなところのある作品なのでね。
・ほとんど力ずくで感動させられるというか、ほだされるというか。(笑)
"聖少女"が主人公なので、"ほだされる"という表現がより相応しいか。
・甘いと言えば甘い話で、ひたすら可哀そうなひたすら抑圧された階級・集団出身の、ひたすら性格が良くてひたすら賢い少女が、その前向きな努力のままに、幾多の困難には見舞われるものの特に現実の汚泥にまみれることもなく、その善意で人と状況を動かして最後には成功する話。
・こうして俯瞰してしまうとおとぎ話以外の何物でもないんだけど(笑)、でも主役を演じる女優さんの魅力や説得力
トンイ01.jpgトンイ02.jpgトンイ03.jpg

と、ド正攻法の演出の腕力とが、そう笑うことを許さない。
・正に「本気」の韓流の、面目躍如というか。
・どこかで見たスペシャル番組で、ドラマについてガイドする"トンイ"ならぬハン・ヒョジュさんも。
・一応素ではあるんだけど役柄のトンイに見事にオーバーラップする、ほんとに清らかで爽やかで可愛らしい感じのお姉さんで。(笑)
ハン・ヒョジュ1.jpgハン・ヒョジュ2.jpeg

・あれが演技だというんだったら、僕はもう、喜んで騙されますよ。
・そう、そういう"騙されてもいい"というか、"知恵比べ"をしているわけではないという安心感というか腹の据え方が、韓流の特徴ではあるでしょう。
・距離を取っちゃうと馬鹿馬鹿しくも見えるけれど、ひとたび近付いて"対決"すると・・・という。
・まあどうせTVドラマなんて絵空事なんで、その中であんまりほんとらしさなんか競ってもね。
・逆に間抜けだろうという。
・しかるべき絵空事なら、積極的に受け入れるべきというか。
・受け入れた"先"に、"中"に、何があるかが問題というか。
・最初からそこで勝負している強さというか、そういう(同)条件下での"競争""練磨"の激しさが、韓流の独特のクオリティを支えているというか。
・そういう厳しさが、日本のドラマには感じられない。企画通して終わりみたいなところがある。
・見る側も当然、鍛えられていないというか、知らず甘い基準で見ているというか。

・勿論例えば米国のドラマは("切り口"と"中身"の)両方のクオリティの最大化を、常に妥協なく競ってはいるわけですけど。
・比較すると英国の方が、韓流には似てるかな?
・"またこのパターン?"とか思いつつ、気が付くと見入ってるみたいな。
・もうちょっと捻って欲しい時もありますけど(笑)。後で思い出して、どのドラマのことか区別がつかなくなることもよくありますし。(笑)
・「国民性」としては、米国の方が遥かに韓国に似てる気はするんですけどね。マッチョで感情的で。
・ドラマの作りは英国の方が似てるのは、「歴史・文化のある国」(英国・韓国)「無い国」(米国)という違いの方が、勝ってるのか。
・日本はちなみに、「無い国」です。
・ことドラマや映画作りに関しては。
・物理的歴史は長くても、伝統がぶつぶつ切れて、常に直近10年前後の記憶だけで作ってるような感じ。
・なぜそうなのかというのはまた大きな問題なので、機会があったら。(笑)
・ちなみに"無い"国どうしでも、必要に応じてシェークスピアを参照に出来るだけアメリカは全然マシです。
・日本で「世阿弥」を参照しようったってねえ(笑)。誰も知らない。俺も知らない。
・「小津安二郎」すら、ほとんど伝承されてない状態なのに。
・あまつさえ「富野由悠季」すら・・・と以下続く

・なんかやっぱり、「作品論」にならないですね。(笑)
・感動するから見てね!みたいなアホな推薦文句しか思い浮かばない。(笑)
・俳優、特に女優陣はみんな素晴らしいよ!とは付け足しておきますか。
・割りと「素朴」というような観点からのみ演出も取り上げましたが、少なくともこのトンイの監督さんは、"メタ"の視点はきちんと持っているように見てて感じられました。全て分かって作ってるというか。
・ただその"分別"が決して作品の熱量を損なわないのが、最終的に韓流の独特なところなので、やはりそっちを押してしまう。

・ちなみに(通例に倣って)数値化すると、こんな感じ。

企画(設定のユニークさやテーマの斬新さ) ☆☆★★★
ストーリー(展開の面白さ、または内容の意味深さ) ☆☆☆★★
人物(キャラクターの魅力、あるいは心理描写の妙) ☆☆☆☆★
演出(テンポの心地良さや雰囲気に引き込む力) ☆☆☆☆★


・熱く語ってる割りには、さほど高くないですね。(笑)
数値外の"熱"が韓流の魅力である・・・というと、なんか少年漫画の主人公のパラメータみたいな話ですが。
・なぜだ、なぜ立って来るんだ、来られるんだ?俺にはなあ、負けちゃいけない理由があるんだ、みんなの思いを背負ってるんだ!
・まあ米国ドラマ的に"ユニークさ""知的面白さ"を重要基準として評価してしまうと、どうしても数値には反映しづらいですね。
・例えば「ストーリー」とかも、メロドラマの"ジェットコースター"展開を"凄い"と評価すれば点数は上がるんですが、お約束で"陳腐"と評価すると加点はしづらい。
・「企画」なんて、下手すると"☆一つ"ですけどね(笑)。庶民の願望に寄せてるだけの話やんみたいな。史実のご都合主義的歪曲性なんかも、つきものとして言われますし。(韓流時代劇の)
・ただまあ、それは言っても。
・韓流の枠組み自体を肯定すれば、間違いなく超に近い一流の出来栄えではあると思います。
・そこに圧倒的な"ほだし"力を加えての、"S"評価。勿論「名作」とも言われてますし。
・...強いて言えば『大草原の小さな家』とかに似てるかなあ、アメリカで言えば。王道性倫理性という意味で。
・ただあれと比べても"時代性""批評性"は薄くて、ただただドラマとしての「力比べ」を競っている感じ。(笑)
・勿論韓流"内の"歴史としては、また色々と位置づけもあるんでしょうけど、「色んな国のドラマを見る」という僕の立場・比較からすると、やはり"批評性が無い"というのが、びっくりする程の特徴。
・頭を空っぽにして、全身を"心"にして、堪能しました。
・褒め方は難しいけど(笑)、大好きです、やはり。


他の人の感想

なし。
宣伝系以外では、"歴史的背景"を解説したようなものしかありませんでした。
そんなもんですかね。まああんまり"レビュー"するようなタイプの人は、見ないのかも知れない。(笑)
韓流"現代"劇の方なら、書いている人を見つけられるのかな?


Posted on 2016/11/15 Tue. 18:58 [edit]

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『納棺師の捜査ファイル』 [スイス](2013)  

納棺師.png

『納棺師の捜査ファイル』S1 (AXNミステリー) (allcinema)

内容

元刑事の納棺師(兼 葬儀屋)が、刑事時代、プライベートでも仕事でもパートナーだった女性刑事と、パンクな格好とは裏腹に繊細な内面を持つ元美容師の見習いの助けを借りながら、刑事と納棺師両方の観点から事件を解決していく。(公式)


感想
・普通。ほんとに普通。
・特に"スイス"を思わせるものも無いし、そういう意味では期待外れかも。
・偏屈でむさ苦しいけど頭は切れるおっさん主人公と、男勝りだけど情の厚い女刑事の腐れ縁コンビという、ほんとによくあるような設定で、それ以上ではないけれどそこから想像される標準的な味わいはクリアしているという、そんな感じ。
・"納棺師"は物珍しくはあるんですが、それほどフィーチャーされてる感じでもないかなあ。
・現在シーズン2が放送中ですが、パスしました。


Posted on 2017/02/15 Wed. 13:38 [edit]

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『トラップ 凍える死体』(2015)[アイスランド]   

ちょこちょこログ整理中。"その他の国のドラマ"というカテゴリーを作りました。


TRAPPED

『トラップ 凍える死体』(AXNミステリー) (allcinema)

内容

アイスランドを舞台にした本格ミステリー・シリーズ!嵐に閉ざされた小さな港町に身元不明の惨殺死体が漂着する・・・
セイジスフィヨルズルは、アイスランドの北東部にあるフィヨルドのもっとも奥にある町。
美しい景観を誇るこの小さな港町には、7年前に少女が不可解な火事によって亡くなったという忌まわしい過去があった。そんな港町にデンマークからのフェリーが大雪のため接岸する。激しい嵐が通過し、町への主要道路が通行可能になるまでフェリーの出港は不可能だった。さらに、港には、身元不明の男性の惨殺死体が漂着していた。フェリーの乗客、住民、誰しもが犯人である疑いがある中、地元刑事が捜査を開始する。(公式)


感想

・"アイスランド"作品ですが。
・うーん。
・"氷に閉ざされた風景"以外に「アイスランドらしさ」を云々する教養を僕は持ちませんが(笑)、大きく言えばやはり、「北欧ドラマ」の文脈で見ていいのかなと。
・ただ最近流行りのスウェーデンものなどが、"北欧らしさ"を強めに意識している、そしてそれをてこに「英米の寡占市場に目にもの見せる」的な気概に溢れているのに対して。(笑)
・こちらはもっと自然というか、風土の赴くままに作ったという感じ。
・かといって"素朴"でローカルな作品かというとそんなことはなく、時代の空気はちゃんと感じながら、ただ"シーン"からは一定の距離を取っているというか、"仕事"に徹しているというか。
・内容的にも「東欧系組織犯罪の流入」や「中国資本の進出」といった、今日的というか"グローバル"な要素もちゃんと入っている。
・ただそれらの活用はいち要素のレベルにとどめて、あくまで「ミステリー」と「ドラマ」をじっくり作る方を、優先したという感じ。
・良心的と言えば良心的。地味と言えば地味。
・嫌いではないですけどね。やはりちょっと、インパクトには欠けるか。
・例えばイギリス作品の『シェトランド』的に、せっかくの珍しい風景をもっと"観光案内"的に(笑)見せる/魅せるくらいはやっても良かった気がしますが、それも無い。
・まさか今時国内市場だけ意識して作ったとも思えないですけどね。まあ真面目な人たちなんでしょう。
・ドラマとしては、実際実に模範的な作り。
・殺人事件のミステリー、それに関わる過去の事件のミステリーとトラウマ、地域社会の人間関係と経済問題、警察組織の官僚主義、主人公の家庭問題と、およそ考えられるあらゆる要素を、全10回にきっちり収めて、完結させて見せています。
・それだけと言えばそれだけな気もしますが。(笑)
・僕が一番印象深かったのは、主人公(男)の部下の女警察官(刑事ではない)

ヒンリカ

の行き届いた"補佐"っぷりで、その立場を弁えつつもしかし無駄な遠慮の無い、かつ恐らくは女/異性にしか出来ない接し方は、何か理想的というかノーストレスの"男女同権"感があって、強いて言えばここらへんが一番「北欧」っぽいのかなと、思わなくはないです。
・女が"猛女"化しているアメリカとも、結局根本的には男尊女卑に見えるイギリスとも、また違った。
・あ、あともう一つ印象強いのが。
・主人公の娘たちが、ご近所の(?)母子家庭の男の子を、「父親がいない」と折に触れてネチネチといじめるあのいじめのリアリティ。(笑)
子供ってこんな感じよねえ、という。
・そこらへんの描写のフラット感も、ひょっとしたら独自性かも知れない、"北欧"ものの。
・アメリカやイギリスほど、"善悪"に必死じゃないというか。

・まあそれなりによく出来た作品だと思います。
・ただ思い返せば「切断死体」「少女の焼死」「権力者による住民のレイプ」「間接的夫殺し」「参考人のヘリからの転落死」と、結構インパクトのある"犯罪""事件"が目白押しなのに、その割にはあんまり一つ一つ印象に残ってないなあという感じで、そういう意味ではどこまで「成功」したのかなという。
・まああざといよりは、地味で堅実な方が僕好みではあるんですけど。


Posted on 2017/05/22 Mon. 20:01 [edit]

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"東欧ドラマ"はあり得るのか ~『ラビリンス』(2015)[チェコ]  

labyrinth


『ラビリンス』(AXNミステリー) (allcinema)

内容

チェコとスロバキアの刑事がタッグを組んで、歴史に彩られた謎多き事件を解決していく!
謎多きオランダの天才画家ヒエロニムス・ボスの作品【最後の審判】からインスパイアーされ、2015年にチェコで制作。オープニングでは【最後の審判】がモチーフとして使われている。(公式より)


感想

・チェコ側の上司のおじさんが味がありました。(笑)
・特に無能な人でも嫌われている人でもないようなんですが、警察の管理側との折衝にストレスを溜めて、しばしば爆発するんですが部下の刑事たちにはしらーっという感じで無視されていて、少しかわいそうでした。(笑)
「"上司"というのは馬鹿ばっかりなのか!」という極めつけのぼやきの後に、部下たちの視線に気が付いて「(え?俺も?)」みたいな顔をするところは最高でした。
・いやいやそんなに悪い上司じゃないから、おじさん、安心して。(笑)
・そこくらいですかねえ、面白かったのは。
・後は東欧女性たちの緊張感のある美しさ。
・結構入り組んだ事件で確かに『ラビリンス』(迷宮)ではありましたが、だからどうしたというか含めてよくあるパターンというか。
・チェコとスロバキアの「合同捜査」も、特にいう程のものでもなかったですし。
・つまらなくはないですけどごくごく平均的な作品という印象。
・序盤の"串刺し"死体とかは、結構ムードがあったというかエキゾチックで期待感は掻き立てられたんですが。
・結局はよくある刑事ドラマの筋立てを、チェコを舞台に作ってみただけという、そういう感じ。

・というわけで表題の"東欧"ドラマ。
「アメリカ」ドラマと「イギリス」ドラマは、勿論押しも押されぬ独自ジャンルとして確立していますし、「フランス」ドラマもそんなに盛んな印象は無いですが、それなりに歴史はあるし"フランス語"という絶対の個性もある。
・一見中途半端なようですが「カナダ」ドラマが極めて優秀かつ独自性もあるということは、海外ドラマをよく見ている人は知っていると思いますし、最近では「北欧」ドラマが、中身というより風土を活かした演出の個性で、認知されることに成功しています。
・ここからこぼれ落ちているような形になっているのが「ドイツ」ドラマで、歴史自体はそれなりにあるようなんですが、中身がイギリスの真似だったりアメリカに寄せていたり、なぜか時々フランスものを連想させたりと、ふらふらと定まらない印象。
・逆にそういう西欧を見たものではなくて中・東欧の方のバックグラウンドに目を向けた、内省的で暗い作品の方が、メジャー感は無いですが見られる作品はあるかなと。
・恐らく"東欧"ドラマというものがあるとすれば、そこらへんにくっつく形になるだろうと思います。
・1989年のポーランド作品『デカローグ』


などは、歴史的には孤立した印象ですが、そういう方向性での、非常に優れた作品でした。
・ただそこから時代を経て、最近見られるようになった(中&)"東欧ドラマ"、具体的にはスイスの『納棺師の捜査ファイル』やこのチェコの『ラビリンス』などを見ると、まあなんというかだいぶ汚染されているというか"西欧"化しているというか(笑)、余り独自性が期待される感じではないですね。
・ウクライナの『スニファー』も、俳優の生理的存在感には独特のものがありましたが、ドラマとしてはまあ西欧をなぞっている感じが強い。
・唯一オーストリアの『お葬式から事件は始まる』には、絶対アメリカやイギリスからは出て来ないだろうなこんなのという良い意味でのローカルさがあって楽しかったですが、多分あれは作っている人の個人的な偏屈に(笑)、多くを負っている作品なのではないかと。
・というわけで今のところは、余り英米寡占の海外ドラマ界に、大した新味を加える期待感は薄い、中・東欧ドラマではあります。
"スペインドラマ"もそういう意味ではてんで期待外れでしたし、まあ何というか、「グローバリズムは強し」という、印象です。(笑)

・このドラマ自体はどうなんですかねえ、"輸出"を前提とした、外向けの作品なんでしょうか。
・北欧ドラマあたりから、最近は各国その傾向はどんどん強くなっている感じですが。
「チェコとスロバキアの合同捜査」というのは、お国柄的にはある種"切り札"的設定で、逆にいつもいつも使うわけにはいかないでしょうから、まあそうなんだろうなと思いますが。
・それがあの程度の規模で更に言えばその理由でもあるかも知れませんが、これが"合作"ドラマではないのは、まだ両国の関係がそこまでスムーズではない、そういう表れなのかなとか。
・チェコとスロバキアは民族的にはそれなりに違うらしいんですけど、正直このドラマを見ていてもそこらへんは全然分かりませんね。(笑)


Posted on 2017/09/12 Tue. 12:48 [edit]

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これはちょっとまた違う"北欧ドラマ" ~『ブラック・ウィドウ 黒衣の人妻たち』(2014)[フィンランド]  

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『ブラック・ウィドウ 黒衣の人妻たち』(AXNミステリー) (allcinema)

内容

フィンランドのTV局(Nelonen)史上で最高視聴率を獲得したドラマシリーズ!
ヴェーラ、キルシ、ヨハンナの仲良し主婦3人は、夫に対して不満を抱えていた。彼女たちは第2の人生を謳歌するため、共謀して夫たちを事故に見せかけて殺害する計画を立て、旅行先でボートを爆破させる、という大胆な行動を実行することに。事故後の事情聴取も想定し、用意周到に仕組んだ殺害計画。夫を事故で失った不憫な未亡人として一度は捜査線上からはずれたかに見えた彼女たちだったが…。(公式より)


感想

・全10話。
・いや、なかなか面白かったです。
・割りと"エロティック・サスペンス"風な宣伝のされ方をしていて、実際冒頭シーンはなんか女3人のこってりまったりした感じの雰囲気で、どっか南米のドラマかしらと思ったくらいでしたが。
・最終的には特にそんなことはなく、むしろ冴え冴えとした印象の方が強い、"北欧"フィンランドドラマでした。
・まあ分からないですね、言葉だけ聴いていても、どこか知らない国の言葉だと思うだけで。
・フィンランド人(フィン人)は北欧の中では唯一アジア系だという予備知識はありましたが、ドラマでも割りと黒髪の多い印象はありましたがだからといってアジア人にはやっぱり見えない。(笑)
・となると"黒髪の白人"で、"南米"という冒頭の印象になってしまうんでしょうが。
・まあ"エキゾチック"というよりは"国籍不明""民族混淆"という感じで、そういう意味では「北欧ドラマ」感は薄い。
・そもそも多分、ドラマとして、スウェーデンものとかと比べてもそんなに"北欧"売りする意図は無い感じ。"フィンランドで最高視聴率!"という触れ込みですが、基本、国内向けに作った作品かも知れませんね。
・その中でこれはひょっとしたら"海外"視聴者向けなのかしらんと思えるのは、フィンランドの数少ない文化的"特産品"(笑)、「ハノイ・ロックス」のヘヴィ・ローテーション。(笑)
・そりゃ確かにそれしか知らないけど、ほんとに今でもフィンランド人聴くのかいなという。(笑)
・ちなみに向かって左側の、一番怖そうなおばさんのお気にです。(笑)
・しかもマリブビーチナイトメアとはまたベタな。



・製作者は特にファンではないと見ました。(笑)
・ちなみに日本だったらこういうところで、YMOとかがかかるんですかねやっぱり。(笑)

・内容的には・・・どう言ったらいいのかな?
・上で言ったように、そんなに"海外"とか"普遍"とかを意識した作り方には見えません。
・でも一方で、僕のお気に入りのオーストリア『お葬式~』のように、開き直ってローカルな作りでもない。(いや、あれはあれで戦略の部分もあるんでしょうが)
・あくまで真っ当とというか、ニュートラルというか、一つの作品を一つの作品として、取り組んで掘り下げて、その中に土地柄も時代背景に自然に入って来たりもするという、そういう感じ。
・実に堂々たる作り方で、殊更"フィンランド"を売りにせずとも、米英のドラマと互角にやれそうなそういう迫力。
・逆にどこが特にユニークということもないんですけど、"自分"を掘り下げれば人はみんなユニークみたいな、そういう意味でのユニークさというか、自立した個性が感じられます。"個体"性と言った方がいいかな?
・「独自のスタイル」があるわけではないけれど、僕が批判的に取り上げた"東欧ドラマ"群のような「英米のなぞり」感は全く無いですね。
・...想像ですけど、フィンランドの(国内)ドラマ界は、他の北欧諸国や東欧諸国と比べて、より充実しているというか完結性が高いのではないかなと。
・"海外"を意識しなくても、十分に成立しているというか。
・後は・・・"アジア系"なんて話もあるように、「北欧」の中でも比較的孤立した文化を持っている、保っているとか。そういうことは、ありそう。
・とにかく予想外にしっかりしたドラマで、楽しめました。
・「安心して」というか。(笑)
・自分も"フィンランド人"になって?
・"ミステリー"としては、「事件」の解明自体は、比較的あっさりというか、淡々と進みます。
・むしろそれはそれとしての「事態」の収め方が、あちらこちらの人間関係の変化もあって、収まりそうで収まらない、どうしたら幸福の最大化が出来るんだろうというそういう「謎」、バランスのふらつきが、ドラマの進行をリードしている感じ。
・何か賞を取ったらしいですが、なるほどなかなか高度なシナリオだと思います。
・結末はちょっとあっさりしているというか、振出しに戻っちゃったなあという感じで少し拍子抜けでしたけどね。
・主人公たちが「殺人犯」であるという、途中でほぼ忘れてしまいますが(笑)動かせない前提を、特に倫理的に処理する為に、ああいう示唆的な感じになったのかなあとは思いますが。
・"幸せ"にはしづらい、でも露骨に"罰する"モードにも今更なれない、それで・・・という。
・もうちょっと、何とかして欲しかったなあ。バラすならもっと早くバラして、そこから"和解"を進める方向が良かったかな?
・ネタバレになるので、これ以上は言えませんが。

キルシが終始お馬鹿過ぎるのもちょっとね。そもそも友達にならんだろというか。(他の二人と)
・そういえば警察の"汚職"の処理も、うやむやのままだな。
もう2,3回あっても良かったんじゃないですかね、視聴率良かったのなら尚更。
・まあそこらへんの事情は分かりませんが、良いドラマだったのは間違いないです。
・そういえばなんか、合気道道場のシーンが何回かあります。割りと本格的にやっている(流行っている)感じ。ふーんという。
・"柔道"じゃないところに"本気"感というか。(笑)


Posted on 2017/10/04 Wed. 19:07 [edit]

category: その他の国のドラマ(及び合作)

thread: 海外ドラマ(欧米) - janre: テレビ・ラジオ

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