死ぬまで海外ドラマ(死ぬ海)

アメリカ、イギリス、中国と欧州各国のドラマ。

『THE GAME』(2014) [英]  

そろそろイギリスものについても。




『THE GAME』(AXNミステリー) (映画.com)

内容

1970年代、二重スパイやソ連KGBの諜報員が英国に数多く潜伏していた時代に、MI5(英国情報局保安部)が世界を揺るがす陰謀を阻止しようと動き出すポリティカルドラマ (映画.comより)


レビュー

・シンプルなタイトルにシンプルな内容(紹介)。
・告白します。見始めてから見終わるまで、"忘れられた秀作ドラマ"的な作品かと思ってました。
・つまり2014年製作のドラマだとは、全く気が付かなかった。(笑)
・権利が安いから、穴埋めで放送してるんだろう的な。(笑)
・それだけつまり、完成度は高いということ。"時代感"の出し方まで含めで。
・出来の良さに気付く前の第一話とかを、"古いなあ"とか"時代だなあ"とか、苦笑いしながら見ていた(笑)のが、恥ずかしいというかいいお客さんというか。
・そんな自分に苦笑い。
・内容としてはやはり、"レトロ"に近い"スタイリッシュ"な王道的スパイものではあります。
・ただ出て来るスパイたちは、腕利きではあってもスーパー(アンチ)ヒーローではなく、あくまで「組織」人として行動しているのが特徴。
・それもよくある「悪の組織」的な仰々しくて抑圧的な"組織"ではなくて、人間がああでもないこうでもないと運営している官僚組織、政府内のいち部署(MI5)という、そういう性格が強い。
・ここらへんのリアリズムは、やはり"2014年"のものではあるんだろうなという。
・ただそれを殊更に強調するのではなくて、"レトロなスパイもの"の装いの中に慎重に溶け込ませているのが、この作品の味というか凄味というか、美意識というか。
・なかなかどうして、優れた作品だと思います。
・優れ過ぎてて地味かなと思わなくもないんですが、主役のイケメン押しのおかげもあって、それなりの扱いはされているよう。
・イケメン、そうかなあ。という。
・いや、妖しい美形ではあるしそういう役でもあるんですが、"組織"の一人という溶け込み方(または群像劇としての描き方)が見事過ぎて、全くそういう目線では見られなかった。
・間違っても『SHERLOCK シャーロック』的なこれ見よがしのそれとは、比べる対象にはならないという。
・まあ同性の意見ではあります。(笑)
・ただし"主人公"としては機能していたと思いますけどね。感情移入の対象としては。
・どちらかというと、最初はそういう"美形ヒーロー"もの的な印象で始まって、少し遅れて全体の面白さが見えて来るタイプの作品。
・危うく僕は、1話で見切りそうになりましたが。(笑)
・筋立ては縦軸にソ連の巨大謀略の謎解きがあって、横軸に主人公の個人的復讐劇があるという形。
・まあ後者は徐々に、それ自体はどうでも良くなって来るというか、前者への意外な絡み方が興味の対象になって行くというか。
・その"ソ連の謀略"がなかなか奥深くてね。
・なかなか明らかにならないんですけど、十分に飽きずに興味を引っ張られる。
・またその中で、「実際問題ソ連の核攻撃に対して、西側(イギリス)は報復するのかしないのか、具体的にどう対応する気だったのか」という、今日でも北朝鮮を筆頭とするならず者系核保有国との関係で、問題であり続けるテーマも追求されます。
・そこのくだりの緊張感は、相当なものでした。
・レトロかつ現代的と、まとめてしまうと少し陳腐ですが。
・とにかくやや"陳腐"な見た目を大きく裏切る、総合的によく出来た傑作。


他の人の感想

海外ドラマ『THE GAME』(misasa104の日記 さん)
『The Game』 BBCドラマ(ONE CLOUDY DAY さん)
これも一応ピリオドドラマのくくりに入るのだろうか。(回転猫目歴史儀英国製 さん)

・・・やはりイケメンもの要素は強いらしい(笑)。最後のはドラマの背景についての、興味深い考察・解説。


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Posted on 2015/12/13 Sun. 19:36 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(イギリス)

thread: 海外ドラマ(欧米) - janre: テレビ・ラジオ

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『クロッシング・ライン』(2013) [独米仏合作]  




『クロッシング・ライン〜ヨーロッパ特別捜査チーム〜』(AXN) (Wiki)

内容

彼らの捜査に国境はない!
各国の精鋭が集まった特捜チームの活躍を描く最新クライム・サスペンス!
(公式より)


レビュー

・AXNのサイトには「チェコ・フランス」とありますが、Wiki筆頭に他は全部「ドイツ・アメリカ・フランス」ですから、まあ何かの間違いでしょうね。
・製作総指揮は『クリミナル・マインド』の人だそうですし。アメリカが噛んでないはずは。
・逆に「チェコ・フランス」で、この"アメリカ"的なソリッドでドライな作りのドラマが作れたなら、それはそれで興味深いんですけど。
・ドイツとかは結構最近は狙ってアメリカ的なものを作ろうとしたりしているようですが、やはりどうしても"臭い"は残りますよね、"癖"というか。「ヨーロッパ」の。
リュック・ベッソンとか、あれだけなりふり構わずアメリカにべったりな人でも、やっぱりなり切れずにどこか未だに「フランス」ですし。
・ただ一方でこの作品の基本がどこにあるかというと、それは"ヨーロッパ"だと思います。
「独・仏」の方というか。(笑)
・一つは勿論、タイトルが示す通りヨーロッパ/EUの広域捜査を描いた作品で、舞台自体が"ヨーロッパ"の各地であるから当然ではありますが。
・ただ単にロケ地や風景が醸し出す雰囲気がそうだというだけではなく、描写の基礎の部分に「ヨーロッパ」が入ってるよなという。
・主人公はアメリカ人ですが(余りそうは見えない(笑))、フランス・イタリア・ドイツ・アイルランドとバラエティに富んだ国籍・背景を持ったチームのメンバーたちが。
・「アメリカ」作品の中での"異人""ヴァラエティ"要素としてではなく、それぞれのアイデンティティ主体でそのままで描かれている感じ。感触というか。
・特にフランス・イタリアのラテン勢を見ているとそれは感じて。
・つまり例えばドイツ・アイルランドだったら広義のアングロサクソン&ゲルマン文化の系統性同質性の中で、"アメリカ"主体の文脈の中でも描き易いわけですが。
ラテンの方はやはり異物で、"奇妙な外国人"という視線や扱いが、どうしても"アメリカ"作品の中では残ってしまう。
・「アジア」とかもっと酷いですけど。そんな日本人いるかよ的な。(笑)
・そういう違和感が、この作品には無い。それぞれがそれぞれに、主体として存在している。
・むしろチームがたまたまアメリカに渡ったエピソードの方で、そこに映る「アメリカ」の"外国人が見るアメリカ"感の方に、驚かされたというか。
・こんなに違うものかねという。
・まあ繰り返しますがヒックマンがどうにもアメリカ人に見えないという、そもそもの問題もありますが。

・ただ一方で最初に言ったように、ドラマとしての仕上がり、見易さは、いかにも"アメリカ"が噛んでる作品感も濃厚なわけで。
・バランスとしてはどうなっているかというと・・・
「作詞作曲・独仏」「編曲プロデュース・米」と、そんな感じかなと。
・音楽の比喩ではありますが。(笑)
・まあそういうバンドいますよね。アメリカに"渡った"。
・"米"のプロデュース力は強烈ですからね、元が何でも、"アメリカ"にはしてしまう。噛むと噛まないとでは、大違いというか。
・具体的にどういう役割分担でやってるのかは、音楽と違ってドラマ・映画・アニメはちょっと分かり難い。
・作品によって違う面が大き過ぎる、過去の経験で言うと。
・あくまで仕上がりを見ての、見立てです。
・暗いは暗いんですけどね。
・ただそれも、根っから"アメリカ"的な暗さではないと思います。
・アメリカ(作品)の暗さは、ちょっと洒落にならない暗さなんですよ。クドいというか。
・それはなぜかというと、アメリカが基本的には「明るい」からで、そこを"あえて"暗くしようとすると非常に攻撃的というか、意識過剰の"やり過ぎ"な暗さになりがち。
・"暗さ"自体が、ある種主役化するというか。
・その点悠久の伝統・倦怠にたゆたう英欧は、ナチュラルに暗いので(笑)。アメリカに比べると。
・暗さそのものにストレスは無いし、さじ加減も自由自在だし。
・この作品の暗さ自体はある程度意識的なもので。
・つまり特捜班に回って来る特別凶悪な犯罪や難解な犯罪の相手をする関係上。
・大きな国際的謀略のプレッシャーなどとも付き合わないといけない関係上。
・それでも(アメリカ的に)"張り切った"感じにならないのは、"ヨーロッパ"の余裕だなという。
・そこに更に、アメリカ的なドラマを軽快に転がす"コツ"も加わっている、非常にバランスの良い作品。
・まあ見方としては、あくまでヨーロッパ作品、"凄く見易いヨーロッパ作品"として見るのが自然だとは思いますが。
・バランスが良過ぎてインパクトが無いと言えばインパクトが無い部分もあるんですけどね。
・それぞれの人物像をそれぞれに楽しむという以上のものではないというか。
"トミー"の出自のアイリッシュ・ジプシー(?)的なカルチャーとか、凄く興味深くはありましたが。
・一番の売りは、実はセバスチャンのなんだあれ、3Dシミュレーターみたいな犯罪現場の再現装置かも。(笑)
・あんなことほんとに出来るのかな。まあいずれ出来そうではありますが。
・あんまりあれに頼るのも、"チーム"としての能力を疑われるところもありますが。(笑)
・とにかく色々含めて、クオリティは問題無く高いです。安心して見られる系というか。
・逆に余りコメントすることが無い、"背景"の問題以外。(笑)


他の人の感想

【追記】 クロッシングライン終了(REXとAXNミステリと雑多な日常 さん)
クロッシング・ライン ~ヨーロッパ特別捜査チーム~(海外ドラマ新番組情報 さん)
『クロッシング・ライン~ヨーロッパ特別捜査チーム~』第7~10話まで観た感想(【お散歩シネマ 映画の世界へ出かけよう!!】 さん)

・・・余り褒めてる人がいませんね(笑)。"つまらない""下らない"というよりは、"物足りない"という感じですが。
指摘されてることは一つ一つもっともだと思います。事件の引力が弱い、"チーム"感が今いち、設定が生き切ってない。僕が「それぞれの人物像をそれぞれに楽しむという以上のものではない」と言った部分ですかね。
まあ僕は基本"人間ドラマ"派なので、そこの堅実さの方を好感しているんですが。
なんやかやとシーズン3も決まったようなので、それなりに人気はあるんだろうと思います。
最後の人によると、"実話がベース"だそうですが、どこ情報かしら。


Posted on 2015/12/18 Fri. 19:07 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(イギリス)

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『シェトランド』[英] (2013)  


解析で見ると、なぜか『銃弾の副作用』の記事がやたら検索で見られているようなんですが、どこかで話題にでもなってるんでしょうか。(僕の記事じゃなくてドラマが(笑))


今日取り上げるのもまた、『副作用』同様にDVDも発売されていないらしい、地味な作品。
・・・画像くらい貼っておきますか。(笑)

program-top_shetland


『シェトランド』(AXNミステリー) (allcinema)

内容

スコットランドの地方行政区画のひとつで、亜寒帯に属するシェトランド島。
ほとんどの島民が顔馴染という世界で、ちょっとした行き違いから無意識のうちに封印してきた怨嗟や嫉妬が滲み出し、殺意へと変わっていく濃密な人間描写、緻密な伏線、大胆なトリックで綴られるストーリーが展開する。
(公式)


レビュー

・舞台は要するに、シェトランド・シープドッグの故地ですね。
・特にフィーチャーはされてませんが。言われてみると、羊の放牧が目に付くかなという程度。(笑)
・まだ数話しかやってないのでよく把握してないところはありますが、なんかとにかく"狭い"地域に感じて、こんなところにこんな敏腕刑事がいるものかねという違和感は、多少あります。(笑)
・どう見ても宝の持ち腐れ。
・"亜寒帯"という響きの寒々しさよ。
・とはいえ予備知識とかを抜きにすれば、要はイギリスドラマにありがちな"田舎"感ではあって。
・その標準で言えば特に田舎というわけでも、また"地味"な作品ということもありません。
主役の刑事は、見ようによってはイケメンですし。
トウの立った"王子"様というか。(笑)
・性格も"頑固者"というよりは"理想家"肌。リベラルというか。

・一番の"感想"としては、その(ペレス)刑事のパーソナリティそのものですかね。
・上の内容紹介だと、なんか金田一耕助的なドロドロが展開してそうですが(笑)、特にそんなことはありません。
・"金田一耕助"ほどにも、ペレス刑事が島の閉鎖性に付き合ってない感じなのが、そういう印象にしているのかも知れませんが。
・一応"地元民"ではあるんですけど。"Uターン"組。
・そこらへんの屈折した感情とかは、これまでのところはそこまで語られていなくて、それが語られて来るようになれば、多少印象も変わるのかなという。
・言ってみれば多少綺麗事というか、良識派に過ぎる印象はあるか。"人権"派というか。
・勿論彼の「意見」自体には概ね賛成なんだけど、キャラとしての立ち位置背景は、そんなにクリアでないというか、濃密でないというか。
・で、それが一番の感想だというのはどういうことかというと。
・この刑事にしろ、最近(放送されたもの)だと『ジョージ・ジェントリー』『フォイル』などもそうですが。
"秩序"の体現者であり基本的に体制派であり、また多かれ少なかれ"男性"的であるはずの警官・刑事が、世間の標準からも突出してリベラルである、因習への批判者であるというイギリスにおけるこのパターンの普遍性は、いったいどういうところから来ているのかなということ。
・例えばフロストやタガード的な"人情派"の"叩き上げ"が、その現場感覚から"弱者"に優しいと、これはこれで一つ分かるし、日本の刑事ものでもよくあるパターンですよね。
・あるいはモース&ルイス、遡ればホームズまで含めた特別な"インテリ"系のディテクティブが理性主義的にオープンマインドである、それもまあ分かる。
・しかしそういう特別なバックグラウンドを用意されていない、言ってみれば"普通の"刑事たちがここまで話が分かるというか人格的に清潔というか、デモクラシー・ヒーロー的な描かれ方を多くされるのは、どういうことだろうとたまに違和感があるわけです。
・やはりそれは、『遠山の金さん』的な(笑)、おかみには警察権力にはそうあって欲しいという、"庶民の願望"なのか、それともほんとに、イギリスの刑事は質がいいのか。

・強いての推測としては、見てると向こうの刑事たちの捜査は、主人公刑事とその弟子的な部下による、かなり小規模というか個人的な色彩の濃いものに見えて、日本ほど「組織」の影は直接的には無いんですよね。
・勿論うるさい上司とかはいますけど、それはあくまで官僚的な存在というか、スーパーバイザーであってそれほど密に現場には影響して来ない。
・そこらへんで、"個人"の良心みたいなものも発揮し易い描き易いのかなと、まああくまで想像ですが。
・それにしても何か、捜査形態が少し違う感じは見えますよね。さほど昔の作品でなくても。

・最後に(笑)この作品ですが、まあ好きです。好きな方です。
・シェトランド諸島の寒々とした風情もいいですし、主人公の熱を秘めてでも屈折した、味のあるイケメンぶり(笑)も好きです。
・まあ特筆するようなものはそんなに見当たらないですけど、「イギリス産"名物"刑事もの」ファンの期待には、確実に応えてくれている作品だと思います。
・やってれば見る、見たらそれなりに楽しめるという。
・見終わったらでも忘れるかもという。(笑)
・ある意味ジャンプ漫画的なのかも。
・興味が無い人には、特に奨めませんが。(笑)
・まあ結局こういうのは、主人公が好きかどうかなんですけどね。
・僕は好きです。


他の人の感想

「『シェトランド』 Shetland (2013– )」(居ながらシネマ さん)

映像が綺麗だと。そう言われてみればそうか。
それであんまり、"暗い"印象が無くて見易いのかな。

『シェトランド』(月の砂漠 さん)

"人間関係の濃密さ"を、こちらの方は感じられたそうです。(笑)
僕はもう、"田舎"ものには慣れちゃってるのかも。(笑)
こんなもんでしょ、という感じ。


他にもちらほら感想はありましたが、概ね皆さん、「景色が綺麗」というのが一番の感想のよう。(笑)


Posted on 2016/01/30 Sat. 18:37 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(イギリス)

thread: 海外ドラマ(欧米) - janre: テレビ・ラジオ

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『バーナビー警部』(1997) & 『もう一人のバーナビー警部』(2011)  




始まった年に14年の開きがありながら、ほとんど区別がつかないほど持ち味が変わらない潔さに敬意を表して(笑)、まとめてレビューします。(笑)
・・・勿論区別がつかないことはないんですけど、『もう一人の』を見始めた時の、「警戒心」から「安心・信頼感」へとモードが切り替わるタイミングが、自分でもびっくりするほど早かった。(笑)
何なら新しい分上書きされて、元のバーナビーを思い出すのに今や少し困難を覚えるくらい、新しい方は新しい方なりに、"バーナビー"でしたね。

原題はどちらも、"Midsomer Murders"です。"新"とか"もう一人の"とか、何もつきません。
ここらへんの潔さなのか横着さなのか、よく分かりませんが、多分イギリスらしさなんでしょう(笑)。『タガート』シリーズとかもそうですね。主人公2回変わってるのに、何の断りも無し。(あれはスコットランドですけど)


内容

『バーナビー警部』(AXNミステリー) (Wiki)

主人公のジョン・ネトルズ演じるトム・バーナビー警部が緑豊かな架空の田舎町ミッドサマー(Midsomer)で起こる事件を解決してゆく様子を描いたもの。
大都会で起こる事件とは対照的に、キャンプ場やバザー会場など、生活に身近な場所で事件は発生する。どこまでも続く緑の豊かさを誇る田舎町で起こる事件は、そこで暮らす人々の確執や軋轢、嫉妬などが浮き彫りにされ、残忍性や悲壮感が際立つ事件が多いが、バーナビーを中心とした家族、相棒とのやり取りは温かく描かれ、ストーリーを彩っている。 (Wiki&公式)

『もう一人のバーナビー警部』(AXNミステリー) (allcinema)

1997年~2011年まで約14年に亘り、コーストン署で事件解決に奔走し続けたトム・バーナビー警部が引退を決意。彼の後任として、トム・バーナビーの従弟ジョン・バーナビー警部主演のストーリーとして展開する。 第75話「ギヨームの剣」、第81話「安らぎのスパ殺人」にも出演していたジョン・バーナビーは、トム・バーナビーの部下であったベン・ジョーンズと共に、美しいミッドサマーで起こる難事件解決に挑んでいく! (公式)


レビュー

企画(設定のユニークさやテーマの斬新さ) ☆☆★★★

ぶっちゃけ"嫌い"なところなど何も無い作品なんですけど、強いて根本的な突っ込みどころとしては、「どんだけ殺人事件起きるんだよ、田舎町ミッドサマー」というのはやはり、避け難いところではあります。(笑)
実は"架空"だというのは今回初めて知ったんですが、それを知ったところで納得いくレベルではなくて、よっぽど両バーナビーが無能で防犯力が無い(笑)か、あるいはここはドルイドの失われた聖地かはたまた魔界の穴でも開いていて、次々に住人を凶行に走らせると、それくらいの設定でもないと現実的にあり得ない頻度だと思います(笑)。・・・まあ、どうでもいいんですけどね、実際には。(笑)
ていうか良くも悪くも、僕は見てる時に"ミッドサマー"を意識することはほとんどなくて、要するにイギリスによくある風景というか、よくある刑事ドラマの風景というか、それ以上の印象・感慨は無いです。そういう意味で"問題"は無いんですが、「企画」としてはゆるゆるだと、言わざるを得ません(笑)。毒にも薬にもならないというか。

ストーリー(展開の面白さ、または内容の意味深さ) ☆☆☆☆★

と、いう"緩さ"を根本に持ちながら、バーナビーの事件は面白いというか、全く退屈させないというか。
多分原作者の資質なんだろうなと思いますが、とにかく「お話」を作るのが得意・好きな人で、逆に「企画」とか「設定」とか、うるさいことはどうでもいいというか。さりとて"推理"ものとしていい加減なわけでもなく、設定通り"人情"もこってり描いて、でも爽やか、軽快。社会性もきっちり。なにげに凄いバランス感覚の作家さんだなと思いますが。
逆に突出したところが無いので説明が難しいんですけど、ひょっとしたら『ドラえもん』的な上手さで(笑)、それで長尺シリーズを途中で主人公が変わるという切れ目さえあっさり乗り越えて、同じ味わい同じクオリティで、続けられているのかな、そういう褒め方が可能なのかなと。
まあ、あえて言えばですが。とにかく極上の職人という。

人物(キャラクターの魅力、あるいは心理描写の妙) ☆☆☆☆☆

ここは思い切って、満点つけておきましょうか。
多少の持ち味の違いはあれど、両バーナビーの甘くない知性と、しかし根本の部分で人を安心させる人柄と。結構頻繁に変わる部下・相棒の、年代も(警察内の)階級も似たり寄ったりな中でしかしそれぞれに味のある、よくもこれだけ微妙なバリエーション作るよなというキャラ描写の妙と。そしてバーナビーの長期的人気を支える大きな秘訣かもしれない、家族関係の暖かさとおかしみと。
"奥さんに頭が上がらない"というのは共通してますが、その"頭の上がらなさ"がとても幸せそうなんですよね。思わず僕も、結婚したくなるくらい(笑)。安倍政権の少子化対策に是非というか。(笑)
持ち味はまた違います。トムの奥さんは「家庭の主婦」の現実主義の逞しさというか素朴な品格というか。一方ジョンの方は、バリバリのキャリア志向の、しかし嫌みの無い快活さや気の強さ。でもどっちも素敵。可愛い。
トムの方にはこれまた甘えられると弱い、気の強い娘の存在がありますが、そこらへんはジョンの場合は、奥さんが兼務している感じですかね。総じて女性作家(キャロライン・グレアム)らしい描写ではあると思いますが、男が見て不愉快になるような癖や偏りは、全く無いと思います。素直に、"理想の家庭"像。

演出(テンポの心地良さや雰囲気に引き込む力) ☆☆☆☆★

手堅いし、恐らくは原作の持ち味を素直に活かしたというタイプの演出なんでしょうけど、これだけ安心して見られる幸せな空間を作り出してくれていることには、感謝と称賛を惜しみません。"イギリス"ドラマを見る習慣の無い人に勧めるのに、一ついい候補かもしれませんね。こういう楽しさが、あるんだと。
あと加えて言うと、"トム"の方は小野武彦さんの吹き替えもとても良くて、"字幕版"も"吹き替え版"も両方安心して薦められる、珍しい作品だと言うことですかね。・・・なんか顔も似てますよね、小野武彦さん。(笑)

トム・バーナビー.jpg小野武彦.jpg


他の人の感想

「バーナビー警部」〜トム・バーナビー 引退の時〜 (ゆるり鑑賞 さん)

「稚ブログの過去記事では「ちょっと薄味気味」なんて書いていますが長年見ている間に癖になるというか、無くなるとすごく寂しい存在!と今更ながら気がつきました。」

・・・僕も正直に言うと、むしろ最近『もう一人の』を見たことによって、"やっぱり面白いんだ"と思い出した感じでした。(笑)

もうひとりのバーナビー警部 (REXとAXNミステリと雑多な日常 さん)

飄々として包容力のあったトムと違って、ジョンはちょっとクールで皮肉屋だしね。

最初僕もあれ?と思ったんですが、でもジョンにはジョンなりの包容力があって、気が付くと"バーナビー"になってて逆に凄いなあと。


公平に、紹介は1本ずつにしました。(笑)


Posted on 2016/08/03 Wed. 11:20 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(イギリス)

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『Silk 王室弁護士マーサ・コステロ』(2011)[英]   

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『Silk 王室弁護士マーサ・コステロ』(AXNミステリー) (映画.com)

内容

法廷弁護士の中でも優秀な者だけが選ばれる王室顧問弁護士を目指すヒロインのマーサ・コステロ。貧しい社会的弱者の味方である彼女は、"有罪と証明されるまでは無罪"という自身の信念を貫き、依頼人のために徹底した調査を遂行する。 (映画.com)


レビュー

「Silk」なのか「王室弁護士」なのか「マーサ・コステロ」なのか。(笑)
・それすら記憶の中で確定しない感じの、印象が散漫な作品。
・例えばアメリカの"『SUITS』"と比べても、"「Silk」"というイギリスの法曹界では一つの象徴的なものらしい言い方が、見てもあんまり印象に残らないし、"「王室弁護士」"とは言っても別に王室を弁護するわけでもない(笑)し、かといって「マーサ・コステロ」という主人公の人柄が強い感銘を与えるわけでもないし。
・邦題が悪いのか元々の作りの問題なのか、それもよく分かりませんが。(笑)
・決してつまんなくはないんですけどね。
・イギリスの法律事務所内の人間関係、特に移籍や独立をめぐる駆け引きとかは、物珍しいのもあって面白かったですし。
・イギリスの弁護士たちの、性格の悪さの描写も面白い。
・アメリカの弁護士の方は、ひたすら闘争的で、その分"スポーツ"的な爽やかさも無くは無いんですが。("SUITS"では"メジャーリーグ"という言い方がよくされてましたね)
・イギリスの方は、「階級」の関係なのか、もっと底意地が悪いというか、"どれだけ馬鹿にしあうか"を競争してるような感じ。(笑)
・いずれにしても、アソシエイツが虐められるのは同じなんですけどね。でもでも。(笑)
・で、そこらへんの関係なのか、主人公マーサの人物像が、今一つ把握出来なかったのが、多分思い入れを難しくしたんだと思います。
・どちらかと言えば"正義"派なんでしょうけど・・・十分に性格悪いですからね。(笑)
・それで埋もれてしまったというか。
・あと"事件"の印象が全く無い。
・それも多分、マーサの"情熱"のありかが分かり難かったせい・・・か、逆に事件の印象が薄いから、マーサの"活躍"も目立たなかったという可能性もあるかも。
・いずれにしてもまあ、よく分からない内に1stシーズンは終わってしまいました。
・2ndシーズンも知らない内にやってたみたいですが、気が向いたら見てみようかなという感じです。

他の人の感想

「Silk 王室弁護士マーサ・コステロ」(Silk) (Kiki's random thoughts さん)

2ndシーズンになったら、面白くなったということ。
見てみるかあ、気が進まないなあ(笑)。やっぱキャラかなあ。"再会"したい人がいないんですよね。(笑)

Silk―イギリスらしさを随所に味わえるリーガルドラマ (高慢と偏愛 さん)
Silk 王室顧問弁護士 マーサ・コステロ (理珠(りじゅ)の部屋へようこそ さん)

たまたまかも知れませんが、"シーズン2から見始めた"という人が、検索上位に二人も。(笑)
何ですかね。AXNミステリーの放送の仕方が悪いんですかね(笑)。よっぽど"どうでもいい"感じで、1stシーズンが放送されていたか。あるいはシーズン1の"つまらない"オーラ。(笑)

意外と見てる人(書いている人)は多くて、皆さんそれなりに"書き込んで"いらっしゃいます。
これはやっぱり、シーズン2以降を見るべきだったかなあ。
まあ逆に"シーズン1"の記念碑として、このレビューを残しておくことにも意味があるかも知れない。(笑)


Posted on 2016/09/17 Sat. 16:45 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(イギリス)

thread: 海外ドラマ(欧米) - janre: テレビ・ラジオ

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『シャドウ・ライン』(2011)[英]  

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『シャドウ・ライン』(AXN) (allcinema)

内容

イギリスの裏社会に君臨する麻薬王の遺体が発見され、過去に銃弾を浴びて記憶障害がある刑事ジョナ・ガブリエルが、周囲の不安をよそに復職後の初仕事としてこの事件を担当する。 (映画.com)


レビュー

・見てる時はかなり引き込まれたんですけど、終わってしまうと余り残るものが無い。
ハードボイルド過ぎるのかな?"スタイル"に流れ過ぎるというか。
"官僚機構"(または警察組織)の冷酷さと、"暴力"の純粋な衝撃性の印象が特徴的なドラマ?
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・左"官僚"、右"暴力"。(笑)
・後者の殺し屋のおじさんは、なかなか忘れ難いキャラですよね。
・逆に全部持ってっちゃったというか。
・...あれ?もう書くこと無いな、ほんとに。(笑)
・えげつないですよお、警察、かっこ良かったですよお、殺し屋のおじさん。
・ほんとそれだけと言えばそれだけ。
・それで十分に楽しめたんですけどね。
・"ドラマ"というよりは、"音楽"という感じですかね。
・内容というより雰囲気というか。
・決してルーズな作りの作品ではないんですけど、それぞれの要素、事件なり人間模様なりが、結局はある"雰囲気"を作ることに奉仕していて、それで完結している。
・多分かなり、クオリティは高い。
・たださほど"興味"は感じない。
・恐らくは「裏社会」(と警察の関係?)の実態をかなりリアルに描いた系の作品なんだろうと思うんですが、"かっこ良"過ぎて逆にそういうことがどうでもよく見えるというか。
・絵空事でも結構、ドキュメントでも結構。
・"問題提起"というより"耽溺"に見えるというか。耽美。
・少なくともそういうものとしては、よく出来ていると思います。それ以上の印象は無かったですけど。
・だからこれが"成功"作かどうかは、製作者の意図次第かなという感じ。
・若干「高級なVシネ」みたいな感じもしないではないかな。(笑)
・結局暴力が描きたかったんでしょ?みたいな。
・嫌いではないんですけどね。"傑作"とまでは薦め切れない。

他の人の感想

シャドウ・ライン―Dark Shadow of British Noir (高慢と偏愛 さん)

「音と映像がすごくいい。」
「あまりにスタイリッシュで「だ、だいじょうぶかな」とビクビクワクワクしながら見ていた」


多分だいたい同じような印象ですね。"スタイル"ドラマですよね。"音楽"的な。
僕は実は若干"スタイリッシュ"なものが苦手なので、少し褒め方としては抑え目になりましたが。(笑)
でもかっこいいとは思いました。

シャドウ・ライン (たちばな・ようの映画日記 さん)
オフビートな刑事物「シャドウ・ライン」 (三人共用名刺 さん)

ストーリーについての、相反する評価。
前者は"あっさりしてて少し拍子抜け"、後者は"重い、恐ろしい"
僕はどっちかというと前者ですかね。確かに本来"重く恐ろしい"話だと思うんですけど、作りのスタイリッシュがそこらへんを少し「流し」てしまったという印象。
だからまあ、「成功」かどうかは製作者の意図次第だと書いたんですけどね。どっちを表現したかったのか、"内容"か"劇的美"か。勿論両方ではあるんでしょうけど。(笑)

そんな感じです。


Posted on 2016/09/18 Sun. 18:20 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(イギリス)

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『マスケティアーズ パリの四銃士』(2014)[英]  




前回、前々回と"まとめ書き"更新を試してみましたが、やっぱりちょっと、微妙に雑な気がするので、「一作一本」の基本に戻ります。
・・・実際には今回の『マスケティアーズ』なんかは、むしろ「思い入れの薄い良作」代表みたいなもんなんですけどね(笑)。いかにも"まとめ書き"を誘う。


『マスケティアーズ パリの四銃士』(NHK総合) (Wiki)

内容

BBCが不朽の名作「三銃士」をまったく新しい解釈で映像化し、2014年1月の初回放送では過去2年間の最高の視聴者数を記録したアクションドラマ。映画さながらの臨場感溢れるアクションシーンに注目! (映画.com)


レビュー

・アレクサンドル・デュマの原作小説

は、掛け値無しの傑作です。
・子供の頃と大人になってからと二回読みましたが、むしろ大人になって読んだ時に、余りの面白さ読み易さに、驚いたというかうなったというか。
19世紀の作品ですが、それまでに読んだ数多の現代のエンタメ系小説と比べても、全く遜色無いというか素で夢中になって読めるというか、「古典」を読むというような距離感を、全く感じないのが驚きでした。
・勿論時代性はあるんですがそれはプラスの意味であって、むしろ現代の小説よりもアクティブというか映像的というか、ほとんど日本の漫画を読むようなところも無くはなかったです。
・恐らくそれは、「映像」系エンタメがまだ発達しておらず、それを筆頭に現代の小説が無意識に受け入れている"ジャンル"分け、"制約"を、まだ受けていない時代、言わば「小説」に課される期待がほとんど無限だった時代ならではの、万能性というか総合性なのではないかと思いますけどね。
・現代だと金庸などの中国の小説なんかにも、一部そういう部分が僕の経験ではありました。
・恐らく中国の文明開化(笑)に伴って、そうした古き良き"総合"性は失われて行くだろうと思いますが。

・それはともかくだから、僕にとって原作小説の"アクティヴ"性が既に最高級なので、上の紹介文が言う「映画さながらの臨場感溢れるアクションシーン」なんてのは、いやいや比べる相手が違うだろう、そこに勝ってもしょうがないだろうと、そういう感じです。(笑)
・勝ちたいなら、原作に勝ってみろという。
・勿論、ハナから勝てはしませんけどね。それはこのドラマがというよりは、あらゆる映像版『三銃士』が原作に勝つことは無理だし、そもそも「映像化作品」が「原作」に勝つこと自体が、基本的には無理な話なわけで。
・だからそれ自体は別に責めはしませんが(笑)、ただ一方で、いちいち覚えてませんが過去に多分2,3本の『三銃士』映画or映像作品を僕は見たと思いますが、それらと比べてもどこらへんに"現代"性があるのかは、ちょっと僕には分からなかったです。
・『三銃士』("四"ですが)ってだいたいこんなもんなんじゃないの?ほっといてもかっこいいし、ほっといてもカジュアルだし、ほっといても"現代"的だし。
・例えば同じBBCの"翻案"シリーズでも、『魔術師マーリン』

なんかは、思い切り"萌え"に寄った、確かに新鮮な作りだったと思います。
・あるいは『チューダーズ 背徳の王冠』

なんかも、余り好きにはなれませんでしたが、古典的なストーリーに"大胆"なアレンジを施した作品なのは確か。
・そういうのに比べるとこの作品は、どうもこう、「三銃士だね」という以上の感想は湧き難かった。
・それだけに"三銃士の"良さも素直に活きていて、普通に楽しめたということも言えるとは思いますが。

・まあ演出的にはそんな感じなんですが、ストーリー的には多分結構工夫している、具体的には「女性」向けに作ってはあって。
ボナシュー夫人ミレディも、それぞれにかなり魅力的で、"食った"というのとは少し違うと思いますが、主役級に近い活躍をしていましたね。
ボナシュー夫人.pngミレディ.jpg

・ただ"女子"問題として僕がより興味がある(笑)のは、シーズン2以降の敵役であるロシュフォールが、男にはただただウザいだけのキャラにも見えるんですが、女の目から見ると「陰のある美男」として魅力的に見えたりするのかどうかということ。(笑)
ロシュフォール1.jpgロシュフォール2.jpg

・僕的には彼はかなりがっかりキャラで、"権力"も"復讐"もいいけど、原動力が王妃への横恋慕って何だよ気持ち悪いとただただそういう感じで(笑)、リシュリュー枢機卿の国への基本的な忠誠と個人的野望との、その都度揺れる葛藤の"大人の味わい"が懐かしく思えてなりませんでした。(笑)
リシュリュー.jpg

・まあちょっとストーリー的にも、あっさり死に過ぎたというところがありましたしね、枢機卿は。
・ぽかーんとしている内に敵役交代で、どうも乗り切れませんでした。
・ただし原作のリシュリュー枢機卿はもうちょっとストレートに嫌な奴だった気がするので、そういう意味ではむしろロシュフォールが出て来てバランスが取れたのかもという気もします。
・ドラマ的にもひょっとしたら、リシュリューが複雑過ぎて人気が出切らなくて、それで"交代"だったのかなあとか。

・まあ全体としては、"新機軸"よりも伝統「時代劇」の楽しさが上回った作品だったかなと思いますが、映像も綺麗でしたし、標準以上の作品だったと思います。
・不満としては、ダルタニヤンを美男にしたのはまあいいんですけど、原作のもっとわけの分からない勢いがあって面白かった部分は余り出ていなくて、単なる「二枚目の正論」みたいに見えていたのは、味を薄くしていたかなと。
・でもまあ多分、誰が主人公というわけでもないんでしょう、このドラマは。その割に「群像劇」の重厚さみたいなものも、無かった気がしますが。
・結局"女子"的な人気で引っ張った・・・のかなあ、それについては"他の人の感想"を見て、確認したいと思います。


他の人の感想

・・・無い。(笑)
いや、無くは無いんですけど、薄く見てる人ばっかりですねえ、僕同様
"女子"的に熱く萌えてる人も、見当たらない
地上波放送という恵まれた条件でこれというのは、要は人気無かったと判断しても良さそうな感じ。(笑)
ロシュフォールはともかくミレディの悲恋」くらいは、一応十分な萌えポイントかなと思ったんですが。
駄目ですか、そうですか。駄目なようです。(笑)

シーズン3はやるんでしょうか。ボナシュー夫人だけには、また会いたいと思ってるんですが。


Posted on 2016/10/02 Sun. 11:50 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(イギリス)

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『ブロードチャーチ ~殺意の町~』シーズン1(2013)[英]  




『ブロードチャーチ ~殺意の町~』(AXNミステリー) (Wiki)

内容

海沿いの町“ブロードチャーチ”で起こった少年の殺害事件。
事件をきっかけに、平和な町に住む住民たちの秘密が次々と明らかに…。(公式より)



シーズン1全8話を、一挙放送で見ました。

レビュー

田舎町で起こった殺人事件をめぐって、その犯人捜しの過程で明らかになる、住民たちの入り組んだ人間関係やそれぞれの事情、及びちょうど赴任して来た"わけあり"捜査官と地元出身の刑事・警察官たちとの緊張関係などを丹念に描いて行く、第7話までは良質ではあるけれど普通のドラマでした。
"普通"と言ってしまうと何か馬鹿にしているようですが、要はイギリスではよくあるスタイルのということです。十分に見応えはある、ただ"普通"という(笑)、こういうドラマの層が、イギリスは物凄く分厚いと思います。グラフの真ん中へんに"点"が沢山というか(僕の分類では"C"評価のもの)。そこから突出する(特徴のある)作品はそんなに多くないけど、大きく劣るつまらない、下らないドラマというのも、ほとんど無い。日本では見る機会が無い。

アメリカのはもっと縦に長く分布している感じで、だからイギリスの「普通」はそれなりに面白いけど、アメリカの「普通」ははっきり言ってどうでもいい作品が多い。下らないとは言わないけど、わざわざ時間作ってまで見(続け)る気にはなかなかならないというか。

とにかく(笑)そういう「普通の上」くらいの作品としてそれなりに楽しんで見ていたんですが、最終8話で犯人が判明してからは、一気に"キ"ました。
全てはその為の"布石"だったんだと言うには、"7話"はちょっと長過ぎますけど(笑)、でも見続けて良かったとは思いました。

状況からパターン的に誰もが想像出来ると思いますが、犯人はヨソものでもいかにも怪しい人物でもなく、"みんな"の仲間の一人の、大いに意外な人物。
ほんとに"身内"のね。心理的に。
言ってみれば「犯人であってはいけない」人物で、そのことが明らかになる、疑えなくなった時の、周囲の人物の、関係者の、"仲間"の、"身内"の、ひいては「町」そのものの、傷付き"壊れ"方というのがまことにインパクトがあって、リアルで、痛々しくて。
"布石"ではないとは言いましたが(笑)、一方で7話かけて「町」を丹念に描いて来た甲斐はあったというかそれが効いていたというか、何かとんでもない"逆カタルシス"でした。"パターン"を越えて、僕も揺さぶられました。
やっぱり殺人は良くないなというか(笑)、やるなら行きずりだなというか(笑)、じゃないと家族知人が重ね重ね苦しむなと、改めてそういうことは感じさせられました。

とにかくそこは凄く、インパクトのある作品でした。ちゃんと"突出"していました。


まあそもそも「町」がタイトルになってますし、"わけあり"捜査官はかつて別の「町」でそれに近い経験をした過去を持っているという設定なので、大きくは狙い通りではあるんだとは思います。
ただやはり少し"フリ"と"オチ"のバランスが少し悪いというか、同じ「効果」を半分くらいの長さで出して見せてくれたら、多分僕的に"傑作"評価になったと思います。「8話」は最高だったけど、その為に「7話」も見るのは、ちょっとしんどいかなと(笑)、振り返ってみて。
むしろラストがあそこまで強くなくて、もっとさらっと、あるいは"二転三転する犯人捜し"ものとしてのみ「全8話」が機能していたら、ドラマのバランスとしては良く感じたのかなと思います。逆に印象にも残らなかったかも知れませんけど。

まあちょっと平坦な印象は、いずれにしても受けたかもしれません。人が沢山出て来るのは仕方ないとして、"論点"が沢山あり過ぎたというか、その強弱が余り無かったというか。一つ一つのディテールには、力があるんですけど。
その"一端"かも知れませんが、主人公相当の"わけあり"捜査官の、「病気」エピソードは必要だったかなあというのもちょっと思いました。「苦い過去」だけで十分だろうと、そんなに同情惹きたいかと。

そんな感じで、"傑作"にはやや届かず、くらいの感じかな?
十分におすすめではありますけどね。


Posted on 2017/01/26 Thu. 20:04 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(イギリス)

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『THE FALL 警視ステラ・ギブソン』(2013)[英]   




『THE FALL 警視ステラ・ギブソン』 S1&2(スーパー!ドラマTV) (allcinema)

内容

連続殺人犯ポール・スペクターと、彼を追う警視ステラ・ギブソン。
北アイルランド ベルファストを舞台に、追う者と追われる者との手に汗握る心理戦をスリリングに描いた犯罪サスペンスドラマ。
(公式)



レビュー

ジリアン・アンダーソンがエロい
・...ということ以外、特に言うべきことが無い気もする作品。(笑)
・いや、別につまらなくはないんですけどね、"面白い"のかというとよく分からないというか、そもそも面白いか面白くないかという類の作品なのかという点で、疑問を感じる作品だという。(笑)
・製作者がジリアン・アンダーソンをじっくり鑑賞したかったというのが、ほとんど唯一に近い最大のモチベーションなのでは?という。(笑)
・一応言っておくとシーズン2までちゃんと見てますし、シーズン3が放送されたらそれも見るつもりではいます。
・僕もジリアン・アンダーソン好きですし。(笑)

・まあ比較するとしたら、ジェームズ・スペイダー主演のドラマとかに近い構成なのかなと。
・特に『ボストン・リーガル』はそうですね、単に"主演""ハマり役"という以上に、あの人の存在感の全てが演出のディテールを決定してしまう感じ。(ウィリアム・シャトナーと共にね)
・この作品はそこまでではないとしても、では単に"ステラ・ギブソン"を"ジリアン・アンダーソン"が演じているのかというと、それは違うだろうという。
・勿論どのみち存在感は独特な人で、それこそ『X-ファイル』もジリアンのスカリーがあったからこそ、安っぽくならずに済んだみたいな部分は大きかったと思いますが。
・ただそれでもあれは「役」があって「俳優」があるというレベルに収まっていたと思いますが、この作品だともうそれらが"同時"に存在している感じ。少なくとも。
・本当は「俳優が先」と言い切りたいところもありますが(笑)、特に情報を持っているわけではないのでそれは一応控えておきます。(笑)
・とにかくもう、ジリアン・アンダーソン個人の臭いが濃厚で、たまに今の表情にストーリー上の意味があるのか単にジリアンの癖なのか存在感の過剰なのか、読解に戸惑う瞬間があるくらいで。(笑)
・少なくとも"性格"の描写には、少し緩い部分は出てしまっていると思いますね。
・特にステラの性的な放埓さのニュアンスが、今いち最後まで分からなかった。
・一応2で犯人との対決の際に、複雑な父子関係なども語られはしてましたが。
・そのせいなのか単にカジュアルなのか、どうもよく分からない。(笑)
・頼んだらヤラしてれるのかくれないのか。(いや、それは)
・その意味では振り回される男たち(一部女)には、二重に同情しました。(笑)
・だってわけ分かんないもん、この人。ほんとに。

・性格描写の緩さ、またはニュアンスの過剰に関しては、対する犯人側についてもそうな気はします。
・いい男だし立派に気持ち悪いし、怖くもあるしそれなりに切実でもあるんだけど、要するにどういうことなのか人なのか、未だによく分からない。
・なんかニュアンスで遊んでるだけという感じもして、そういう意味ではこの監督の元々の傾向でもあるのかも知れませんね。
・それがジリアン・アンダーソンというニュアンスの化け物を与えられて、暴走しているという。(笑)
・または水を得た魚。
・というわけでストーリーや事件については、余り真面目に追っていません。
・シーン一つ一つを、楽しんでいるだけというか。
・その雰囲気を。ニュアンスを。(笑)
・取り立てて難解ということもないと思うんですけど、あんまり"流れ"ないんですよね。
・シーン一つ一つが過剰なので。
・破綻しているというほどでもないですけど。
・まあ結論見るんですけどね。(笑)


他の人の感想

『イギリスドラマ「THE FALL 警視ステラ・ギブソン」が案外おもしろいということを伝えたい。』(変な映画が観たい さん)
『THE FALL 警視ステラ・ギブソン』(三毛猫如月の玉手箱 さん)
『「THE FALL 警視ステラ・ギブソン」、このイギリス・ドラマは面白い! お薦めです!』(淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」 さん)

最初のは僕が"ニュアンス"ドラマだと言っている部分を、技術的にかなり詳細に説明してくれている記事で、色々なるほどという感じです。「事件の解決が目的となっていない」というのはほんとそう思います。(笑)
二番目のは真逆で、"確実にキャラ見ではない""ストーリー性で見せていく"作品と受け取って、結論としてはつまらないと(笑)。まあその見方だとそうなるだろうなという(笑)。正直誤解かなと思いますが。
三番目は雰囲気に特徴があると捉えつつ、それを最近の北欧ドラマの影響と解釈されています。確かに似てる部分はあると思いますが、僕的には監督個人の資質とジリアン・アンダーソンの存在が、結果的にもたらした類似性の部分が大きいのではないかと、そう思います。北欧ものはもっとストーリー志向ですしね。事件志向というか。

このように"感想"自体が分かれて面白いというのは、それだけ特徴のある作品だということですよね。
そういう意味では、おすすめ。ただし面白いかどうかは、保証しません。(笑)


-- 続きを読む --

Posted on 2017/06/14 Wed. 15:09 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(イギリス)

thread: 海外ドラマ(欧米) - janre: テレビ・ラジオ

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『ダウントン・アビー』(2010)[英] 終了  





『ダウントン・アビー』(NHK総合) (Wiki)

内容

イングランド郊外にたたずむ大邸宅“ダウントン・アビー”で暮らす貴族グランサム伯爵一家の内情を、センセーショナルかつ当時の社会背景を盛り込みながら描いた「ダウントン・アビー」。
舞台となる大邸宅には実在の古城でのロケが含まれているほか、時代設定に忠実に再現された豪華な衣装や調度品といった美術セットが作り出す重厚感のある映像美も圧巻だ。(番組公式より)


感想

ひょっこり終わっていた『ダウントン・アビー』。
凄く好きでした。・・・いち時期
・でも終盤はかなり惰性で、特にクオリティが落ちた感じはしないんだけど、はて俺はこのドラマの何がそんなに好きだったんだろうという感じにもなっていましたが。
・イッテQでデヴィ夫人が絶賛していたのは、やっぱり美術とか優雅な雰囲気とかかな?(笑)

・サーチしてみたら、ツイッターでの興味深い"証言"を発見。
自分自身の。(笑)
・2014年。

・2015年。

・いやあ、書いておくもんですね、独り言でも。(笑)
・自分的にはこの二つのツイートで、かなり的確にそれぞれの時期の状況が分かりました。

・NHKがすぐサイトを消してしまうので、正確な情報を探すのに苦労しますが、整理すると。

  2014年春 シーズン1放送開始 →最初のツイート
  2014年11月30日 シーズン2放送開始 →二つ目のツイート
  2015年3月8日 シーズン3放送開始

2015年12月 ブログ開設 ・・・"Sランク"に位置づけ。
  2016年1月10日 シーズン4放送開始 ・・・初回放送時に最後のツイート
  2016年12月4日 シーズン5放送開始
  2017年5月7日 シーズン6放送開始


・・・となっています。
・これに従って流れを追うと。

1. シーズン1。クオリティは認めつつも、内容には興味を抱いていない。
2. シーズン2。ハマる。"クオリティ"そのものに驚嘆。
3. シーズン3終了時。「S(最高)ランク」評価継続中。
4. シーズン4開始。その初回についてのツイート後、言及しなくなる。(飽き始めている?)
5. シーズン5。ドラマの特に"感動"性の評価についての限定的なコメント

"別れ"の場面では、このドラマには珍しく、結構本気で泣きました。
・・・一応「人間ドラマ」という括りではあるんでしょうけど、ぶっちゃけこのドラマ見てる時って、ほとんど知性しか使わないですよね。(笑)

6. シーズン6。終幕に向けて、総括的な"距離"を置いたコメントが頻出する。
 「大邸宅ダウントン・アビー」の、リアリティ不足。
 「大河ドラマ」性の否定。
 「"同窓会ドラマ"化」の指摘。

・・・ちなみに全シリーズ終了後の2017.8.2現在では、"Aランク"評価に落ち着いています。(笑)

・これら色々言っていることには、"元々"そうだった部分と途中から"変わった"部分があって。
・まず"変わった"部分について言うと、ドラマの存在が大きくなり、一方で原作があるわけでも直接史実に基づいているわけでもなく、スタッフの匙加減や世間の要望一つで帰趨を決められるという基本的な状況の中で。
・ドラマ『ダウントン・アビー』は段々と、"ドラマ『ダウントン・アビー』"の為に存在するようになって。
・つまりドラマをドラマとしてつつがなく収めることや、馴染みの登場人物たちの"その後"を描くことそのものに重点が移行して。
・言わば本編を使って"外伝"や"後日談"が描かれているような状況に、なって行ったのではないかなと。
・結局シーズン6までやったわけですが、既にシーズン5の最後にこんな感想を、僕は述べています。

なんかあちこちの"カップル"に、バタバタと幸せ(または決着)が訪れた回。(笑)
実際には次シーズンで終わりですが、この時点でそういうつもりもあったんですかね。

・"ちゃんと"終わらせようとした、あるいはいつ終わってもいいように備えた、それ自体は(もしそうだとしても)別に悪いことではないんですけどね。
・ただそれによってやたら状況が動くようになって、"ストーリー"性が比重を増して来て。
・それがつまり、シーズン6終盤のこの感想

続々とそれぞれの"新天地"or"新境地"が定まって行ってますが、ただこのドラマは元々は「大河」ドラマではなくて「アンサンブル」ドラマなんですよね。
だから本来、"時間の経過"を追うことにそれほどの意味は無くて、そういう意味では好きだったドラマの"残骸"を見守っているようなところはあります。

・"残骸"、または"後日談"。(笑)
・そして「同窓会」ドラマと。

・改めて振り返ると、僕は当初からこのドラマで"描かれている"こと自体には、余り関心が無かった。(ツイート1)
・ただその描き方、貴族の邸宅とその周辺に限られた密室的な環境で繰り広げられる、ある意味では陳腐な人間関係と各俳優の演技の織り成す"アンサンブル"、その見せ方の密度と手際の一種音楽的な見事さに、感銘を受けていた痺れていたと、そういうことだったわけです。(ツイート2)
・ほぼ「知」的にのみ楽しんでいたというのも、そういうことですね。
・それがまあ、シリーズを追うごとに各キャラクターに"歴史"が積み重なり、ファンや製作者のそれぞれへの"愛情"もかさんで行くにつれて(想像)、全体のアンサンブルよりも個々の行く末、「パズルのピース」ではなく「生身の人間」としての各キャラクターに焦点が移って行って。
・それによって元々の面白さは少なからず損なわれることになったと、そう僕は感じたということです。
・みんながみんなそういうドライな見方をしていたとは思いませんが、ただこのドラマが豪華な邸宅と上流貴族の華麗な生活を一種"美術"的に描くことに大きな売りがあったこと(『ダウントン・アビー 華麗なる英国貴族の館』NHKでのタイトル)、そして21世紀の民主主義社会の視聴者がダウントンの住人たちに最初から親近感を抱けるとはとても思えないこと(笑)を考えれば。
・そんなに偏った/製作者の意図に逆らった見方だとも思えません。
・まあ長期シリーズのキャラクターに思い入れが生じること自体は当然なので、後は全体とのバランスの問題ではあるわけですが。
・僕としては少し、キャラクターが"生身"化し過ぎたかなあと。当初あった冷徹さ、登場人物たちの最も濃密な感情の行きかいすら、「構造」として回収して行くような距離感が失われたのが、残念でした。
・端的に言って、ちょっと救い過ぎというか。だったらシビル(三女)も殺すなよという。(笑)
・一方で逆に、アンナのレイプ事件とかは生々し過ぎて、無い方が良かったなと思ったりしますし。
・人物中心に無理やり"ドラマ"を作ろうとするから、あんなことになるのでは?という。

・...まあ案外単純に、「長期連載によるネタ切れ」に陥ってたのかなあと、思わなくもないです。
「終わりにしたいんだけど、編集が終わらせてくれないんだよ!!!」という。(笑)
・やはり最初にあったのは、『見事な"絵"』のイメージだけだったのではないかなと。
・そんなに本格的に、"ドラマ"にするつもりは無かった。


こんな感じです。
何か非常に"残務整理"的ですが、ドラマ自体も「時代の後始末」が終盤のメインのテーマでしたから、まあいいんじゃないでしょうか。
楽しませてもらいました。一つの時代が終わりました。(笑)


Posted on 2017/08/02 Wed. 21:52 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(イギリス)

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やや変則だけど良作 ~『ウィッチャーの事件簿』(2011)[英]  



『ウィッチャーの事件簿』(AXNミステリー)

  ロード・ヒル・ハウス殺人事件(2011)
  エンジェル通り殺人事件(2013)
  名家の秘密(2014)
  夫婦の秘密(2014)

・・・以上、allcinemaのリンク。

内容

ケイト・サマースケイルのノンフィクション『最初の刑事:ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件』を原作とした実話ミステリーを映像化。
1860年、ヴィクトリア朝時代。裕福な家庭の屋敷内で、当主の3歳の息子が無残な惨殺死体となって発見された。この殺人事件を捜査したのは1842年にスコットランド・ヤード刑事課が創設された際に最初に刑事になった8人のうちのひとりで、ずばぬけた技量を持つ刑事ウィッチャーだった。しかし、彼をもってしても、家名を守るため非協力的な遺族や、加熱する報道などさまざまな状況が絡み、事件は数奇な道すじをたどる。当時の英国を揺るがし、後に数々の探偵小説が生まれる元となった幼児殺害事件の驚くべき真相とは・・・!? 
(AXNミステリー公式より)


感想

・最初にいくつか確認しておきたいことが。
・「原作」というのはこれですけどね。

・見る限り"第1話"の『ロード・ヒル・ハウス殺人事件』のみの内容のようで、上のAXNミステリーの内容紹介も同様。
英語版のWikiを見ると・・・なるほど、その後の3話はオリジナルで、「実話」でもないようですね、ふむふむ。
・という前提で、さてどう評するかですが。

・まず"本来の"ストーリーである1話目の感想としては、実話をもとにしているだけあって事件捜査のディテールががっちりしていて迫力があって、「ウィッチャー警部」そのものはその手順に忠実に従っているある種の"公務員"感(実際に公務員ですが(笑))が強く、優秀ではあるんだろうけど地味な感じ。
・恐らく彼のキャラクター自体が、『実話』を基にしているわけでしょうしね。
・"解決"がすっきりしないところもそれはそれでリアルで、単品で十分に見応えのある作品に仕上がっていたと思います。

・そして続く3本のオリジナルストーリー。
・明らかに独立完結した性格の"1話"から、2年を経てどうして"シリーズ"が製作されることになったのか謎と言えば少し謎ですが。
・恐らくは"1話"が持っていたディテールの力強さやウィッチャー警部の堅実な性格、それを上ではとりあえず「事実を基にしているから」と理由付けしておいたわけですが。
・しかし実際にはそれだけではなく、"小説"としてのスタイル、作者の書き方、そういう背景事情は別とした"フィクション"としての個性や魅力そのものが、製作者にインパクトを与えた、この世界をもう少し展開してみたいと、そう思わせるものがあったのだろうなと、そうとりあえずは思います。

・具体的にそれがどう表現されているかというと、前者については"ヴィクトリア朝"の時代状況の精力的な描きこみ、後者についてはウィッチャーの独特な正義感や矜持として。
・前者の筆頭は何と言っても、3話の『名家の秘密』で、植民地インドと大英帝国民の複雑な関わり、インドを虐げつつ愛していた(らしい)当時のイギリス人の、表現されてみないとなかなか想像がつかない気持ちのありようが、見ていて面白かったです。
・この「植民地時代のイギリス」については、既に紹介した
 『ザ・レジェンド・オブ・パイレーツ』
や、今回の契約中にスターチャンネルで見た中で(ゲーム・オブ・スローンズを除けば)一番面白かった
 『TABOO』
など、最近やたら力作の目につくホットゾーンです。
・なんかすっごく色んなもんが出て来るんですよ(笑)。"イギリス"や"人間"の。しかもやけに濃く
・善悪は別として、"充実"していた時代だったんだろうなということが、伝わって来るというか。
・...そう言えばNHKのズバリ『ヴィクトリア』(の名を冠した作品)はどうなんでしょうね。ちょっとトーンは違いますが。でも期待。

・もう一つのウィッチャーの性格ですが、まず状況としては、1話の事件の失敗(後にしかしウィッチャーが正しかったことが分かる)によって警察を辞めることになったウィッチャーは、私立探偵として2話以降の事件に関わることになります。
・それで・・・まあ正直言うと、4話(ないし3話)だけではやっぱりよく分からないので、出来ればもっとやって欲しかった気はしますが(笑)、とにかく1話では"職業"倫理に埋もれて今一つ目立たなかったウィッチャー自身の性格が、よりはっきりして来ます。
・...と言ってもまあ、フィクションなんですけどね(笑)。でも多分オリジナルの"ファン"として、本物の性格を引き継ぎながら、更なる解釈を与えている感じだと思いますが。
・一言で言えば、ひどく自分の心の声に忠実な人です。
・そこから来る倫理観や思いやりの気持ちが、見ようによっては時代状況的制約を振り切って断固として発動するので、定期的にはっとさせられるというか行動が予測出来ない部分があるというか。
・一方で「刑事」としても「私立探偵」としても、職業的真面目さは人一倍で、決して「自由奔放」とか「変わり者」というタイプではないので、二つの面のブレンド具合が独特なんですよね。
・と、4話しかないシリーズを若干拡大解釈的に評して来ましたが(笑)、実際こういう経緯の作品ですから作っている方も作りながら考えるというかやりながらキャラが育って行ったみたいな面は、あると思うんですよね。
・そういう変に"生"な感じが面白いというか、段々好きになって来たところで終わっている感じで、もっと見たいなあという。
・上に掲げた輸入盤のレビューも、こういうやや半端な位置づけのシリーズの割りに、妙に高いですよね、少し驚きました。
・まあ4話しか無いので、気が向いた時に見てみて下さい。(笑)


Posted on 2017/11/17 Fri. 12:09 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(イギリス)

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