死ぬまで海外ドラマ(死ぬ海)

アメリカ、イギリス、中国と欧州各国のドラマ。

『大草原の小さな家』(1974) 振り返り  

大草原


『大草原の小さな家』(FOXクラシック) (Wiki)

内容

19世紀末の西部開拓時代のアメリカ・ミネソタに住む、インガルス一家の日々を描いたファミリードラマ。
頼もしい父親チャールズを中心に、心優しい母親、大人びた長女メアリー、お転婆な次女ローラに、ふたりのライバルであるお嬢様のネリーや、学校の先生、町の人々などがからみ、心温まるエピソードが綴られていく。
シーズン9が終了した1983年に2時間スペシャルが1回、翌年1984年にも2回放送された。(公式)


・パイロット版が1話、本編が8シーズン182話、"新"として放映されたシーズン9が22話、"本物の"最終回を含むスペシャル版が3話の、合計208話です。
・沢山商品が出ていますが、上の"DVDコンプリートBOX"は、きちんとコンプリートしてあるようです。
・やっと全部見た・・・
・とりあえず掲げた画像はインガルス家の血縁関係者全員ですが、他に計3人の養子を取っています。
・のち結婚独立した次女ローラの"ワイルダー"家には、実子が一人と養子が一人。
・後はインガルス家と長女メアリーの世帯に、乳児の時に死んだ男の子が一人ずつ。

感想

・何から書こうかという感じですが。
・ある世代までの日本人ならほぼ全員知ってはいるでしょうけど、ちゃんと見た記憶のある人はどれくらいいるのか。
・迷いましたが結論として、「説明」はそこそこに書きたいことだけ書くことにします。(笑)

マイケル・ランドン("チャールズ・インガルス"こと)の功罪

・初期シリーズは本当に素晴らしかったです。
シーズン1第7話『オルガの靴』を録画してあったので見返してみましたが、やっぱり大泣きしてしまいました。(笑)
・ローラのクラスメートに生まれつき片足の悪いオルガという女の子がいるんですが、諦めている父親の反対を押し切って、インガルスパパチャールズが矯正靴を作ってあげる話。
・歩けるようになったオルガがチャールズパパに抱きつくシーンはたまらないです。
・人はこうあるべきだなと、素直に思います。
・僕らが信じた憧れた愛した"アメリカ"が、確かにここにはある。
・またオルガが健気なんですよね、物事を悪いようには取らないし、自立を妨げている父親のことも、ちゃんと愛している。
・実際には製作は1974年ですから、アメリカ文明の"残照"といったところかも知れませんが。
・最後の、そして最高の輝き。
・ベトナム戦争は終結前のどん詰まりで、アメリカ映画界には"ニューシネマ"の嵐が吹き荒れていたはずですが、まあリアルタイムの日本人は、ほとんどそんなことは気にしていなかったろうと思います。(笑)
・まだ「アメリカ」は、「アメリカ」だったはず。

・その"素晴らしきアメリカ"のイメージを一身に体現していた、我らがチャールズパパですが。

チャールズ

・ただそれを演じた、そして製作総指揮としてシリーズ全体を引っ張ったマイケル・ランドンという人は、なかなかクセの強い人で。
・まずユダヤ人なんですよね、イメージ全然無いでしょうけど。
・そのことが直接作品に影響している感じはとりあえず無いですが、ただ少ないですが"ユダヤ人差別"を扱った回ではさすがに"本気"度が高くて、それでおやっと思って調べて、彼がユダヤ人であることを知ったわけです。
・本当の意味での"影響"というなら、ユダヤ人という距離感があるから、逆に濁りの無い「理想のアメリカ」(白人的な)を演じられた、描き出そうとした、そういう可能性はあるかと思いますが。
・基本的にはローラ・インガルスの実話を基にした原作の良さを、素直に映像化しようとした、そういう性格がやはり一番強い作品と、そう感じます。そこまでクリティックに考える必要は無いかなと。

・それはそれとして僕が気になっていたのは。
・むしろ"映画人"としてのマイケル・ランドンの"意識の高さ"で。
無駄な、とは言いませんが。言いたくなる時もある。(笑)
・かなり初期からそれが出ているのは、マイケル・ランドンの「監督」回。
・もうね、開始数秒で分かるんですよ。あ、やべえ、今日"あれ"の回だと。(笑)
・撮り方が他の監督と全然違う。映画的。無駄に。(笑)
・"景色"ならともかく、「無生物」から入らないでくれよな。物言わぬものに何かを語らせようとかしないでくれ。
・いいんだよ電気紙芝居で。セリフで全部説明してくれ。"芸術"とか要らないから。
・エピソードもだいたい暗いんですよね。本人脚本による。アル中の黒人ボクサーの話とか。それを無理やり、『大草原』にぶっこんで来る。(笑)
・ほんとそういうのは参りました。
・そりゃ同時代のニューシネマとかを、意識するなというのも無理な話かも知れないですけど。
・それを『大草原の小さな家』でやらないで欲しい、作品の価値の証明の方向は、そっちには求めないで欲しい。
・プロテストソングを歌えばかっこいいと思っている、頭の悪いロックミュージシャンじゃないんだからさあ。
・ある時期以降はほとんどの回をマイケル・ランドン自身が監督するようになるので、さすがに功名心も鎮まったのか、演出自体は普通になって行くんですけどね。
・それでもたまに別の監督の回があると、マイケル・ランドン回とはやはり違うリラックス感があって。
・こっちが本来だよなあと、今更のように思ってしまうんですが。

・ともかく結局のところこれは"マイケル・ランドンの"作品ではあって。
・爆弾娘ローラの人気の支えは、欠かせないとしても。
・みんなの太陽チャールズパパを演じる俳優として支え、製作総指揮として恐らくはシリーズの存続そのものも支え。
・上では演出のことを言いましたが、実際には脚本も、途中からほとんどをマイケル・ランドンが担うようになります。
・そのせいと、それから長期シリーズ化による不可抗力的な自己対象化と、どっちの理由が大きいのかは微妙ですが。
・作品の質・ニュアンスも、徐々に変化して行きます。
・"あらすじ"だけ見ていても、そんなに違いは分からないかも知れませんけどね。
・同じく「あるべき人間の姿」や「理想のアメリカ」(人)を描いていても、初期にあった"天然"の輝きは失われていきます。
・おおむね貧しいアメリカ庶民の苦難に満ちた生活を描いている作品ではあるんですが。
苦しいなりにあった"安心"感や"祝福"感が失われ、一つ一つの社会的道徳的"問題"やその中での選択と、まともに直面する感じになっていきます。
「おとぎ話」だったものが「社会派」作品になったというか。
・原作自体が途中でそのように変化しているのか、それとも『童話』と分類されている原作の味わいの映像化のアプローチが、(知らず)変わって行ったのか。
・読んでないので確かなことは言えませんが、どちらかというと後者の理由が大きいのではないかと、そういう印象は受けますが。
・マイケル・ランドンへの"不信感"もあって。(笑)
・ストーリー的には、メアリー姉さんが失明するという残酷な出来事(シーズン4)は、やはり大きかったですかねえ。
「子供」時代の終わりというか。
・その限りではそれで性格が変わるのは、仕方の無いことだと思いますが。誰が作っても。
・その後のシーズン5からオリジナル・エピソードの割合が増えているらしいのは、変化の結果なのか原因なのか。
・まあ公平に言って、ぎりぎりシーズン4までが「原作」ベース、シーズン5以降は「マイケル・ランドン」と、そう区分けしておいてもいいかもしれませんけどね。
・僕自身はもっと前から、"マイケル・ランドン"濃度が高まると作品が変化することを気にしてはいましたが。
・...それにしても、"少女が通りすがりの変質者にレイプされる"エピソード(S7「ある少女」(前・後編))が飛び出した時は驚きました。その"リアル"要る?と思いました。
・最終的に感動的な話には、一応なってるんですけどね。勘弁して欲しかった。(笑)

・結論的に言うと、この作品の本当の価値は、初期シリーズの"ナイーブ"な美しさの中にあると思います。
・マイケル・ランドンが「大活躍」し出す前というか。
・その後はよく出来てはいても、よくある「家族愛」ドラマであり、「社会問題」を扱ったドラマであり。
・十分いい作品ではあるけれど、代わりはいくらでもある。
・勿論「大河」ストーリーとしてよく知る登場人物たちの"行く末"を見守る、長期シリーズ視聴者の楽しみは楽しみとしてあり続けたわけですけど。
・仮にマイケル・ランドンがいち俳優の分を守っていたら、どうだったんでしょうね。
・もっと味は保たれたのが、それとも逆にさっさと終わったのか。
・分かりませんが。
・とにかく僕はこの人には、複雑な感情を持っているということです。(笑)
・勿論「チャールズ・インガルス」は大好きですけどね。(笑)

長くなったので今日はここまで。
予定では全三回です。(笑)
次は各(名物)キャラクターについて、それぞれに書く予定。


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Posted on 2017/10/19 Thu. 19:52 [edit]

category: 1900年代-2009年のドラマ(アメリカ)

thread: 海外ドラマ(欧米) - janre: テレビ・ラジオ

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