死ぬまで海外ドラマ(死ぬ海)

アメリカ、イギリス、中国と欧州各国のドラマ。

やや変則だけど良作 ~『ウィッチャーの事件簿』(2011)[英]  



『ウィッチャーの事件簿』(AXNミステリー)

  ロード・ヒル・ハウス殺人事件(2011)
  エンジェル通り殺人事件(2013)
  名家の秘密(2014)
  夫婦の秘密(2014)

・・・以上、allcinemaのリンク。

内容

ケイト・サマースケイルのノンフィクション『最初の刑事:ウィッチャー警部とロード・ヒル・ハウス殺人事件』を原作とした実話ミステリーを映像化。
1860年、ヴィクトリア朝時代。裕福な家庭の屋敷内で、当主の3歳の息子が無残な惨殺死体となって発見された。この殺人事件を捜査したのは1842年にスコットランド・ヤード刑事課が創設された際に最初に刑事になった8人のうちのひとりで、ずばぬけた技量を持つ刑事ウィッチャーだった。しかし、彼をもってしても、家名を守るため非協力的な遺族や、加熱する報道などさまざまな状況が絡み、事件は数奇な道すじをたどる。当時の英国を揺るがし、後に数々の探偵小説が生まれる元となった幼児殺害事件の驚くべき真相とは・・・!? 
(AXNミステリー公式より)


感想

・最初にいくつか確認しておきたいことが。
・「原作」というのはこれですけどね。

・見る限り"第1話"の『ロード・ヒル・ハウス殺人事件』のみの内容のようで、上のAXNミステリーの内容紹介も同様。
英語版のWikiを見ると・・・なるほど、その後の3話はオリジナルで、「実話」でもないようですね、ふむふむ。
・という前提で、さてどう評するかですが。

・まず"本来の"ストーリーである1話目の感想としては、実話をもとにしているだけあって事件捜査のディテールががっちりしていて迫力があって、「ウィッチャー警部」そのものはその手順に忠実に従っているある種の"公務員"感(実際に公務員ですが(笑))が強く、優秀ではあるんだろうけど地味な感じ。
・恐らく彼のキャラクター自体が、『実話』を基にしているわけでしょうしね。
・"解決"がすっきりしないところもそれはそれでリアルで、単品で十分に見応えのある作品に仕上がっていたと思います。

・そして続く3本のオリジナルストーリー。
・明らかに独立完結した性格の"1話"から、2年を経てどうして"シリーズ"が製作されることになったのか謎と言えば少し謎ですが。
・恐らくは"1話"が持っていたディテールの力強さやウィッチャー警部の堅実な性格、それを上ではとりあえず「事実を基にしているから」と理由付けしておいたわけですが。
・しかし実際にはそれだけではなく、"小説"としてのスタイル、作者の書き方、そういう背景事情は別とした"フィクション"としての個性や魅力そのものが、製作者にインパクトを与えた、この世界をもう少し展開してみたいと、そう思わせるものがあったのだろうなと、そうとりあえずは思います。

・具体的にそれがどう表現されているかというと、前者については"ヴィクトリア朝"の時代状況の精力的な描きこみ、後者についてはウィッチャーの独特な正義感や矜持として。
・前者の筆頭は何と言っても、3話の『名家の秘密』で、植民地インドと大英帝国民の複雑な関わり、インドを虐げつつ愛していた(らしい)当時のイギリス人の、表現されてみないとなかなか想像がつかない気持ちのありようが、見ていて面白かったです。
・この「植民地時代のイギリス」については、既に紹介した
 『ザ・レジェンド・オブ・パイレーツ』
や、今回の契約中にスターチャンネルで見た中で(ゲーム・オブ・スローンズを除けば)一番面白かった
 『TABOO』
など、最近やたら力作の目につくホットゾーンです。
・なんかすっごく色んなもんが出て来るんですよ(笑)。"イギリス"や"人間"の。しかもやけに濃く
・善悪は別として、"充実"していた時代だったんだろうなということが、伝わって来るというか。
・...そう言えばNHKのズバリ『ヴィクトリア』(の名を冠した作品)はどうなんでしょうね。ちょっとトーンは違いますが。でも期待。

・もう一つのウィッチャーの性格ですが、まず状況としては、1話の事件の失敗(後にしかしウィッチャーが正しかったことが分かる)によって警察を辞めることになったウィッチャーは、私立探偵として2話以降の事件に関わることになります。
・それで・・・まあ正直言うと、4話(ないし3話)だけではやっぱりよく分からないので、出来ればもっとやって欲しかった気はしますが(笑)、とにかく1話では"職業"倫理に埋もれて今一つ目立たなかったウィッチャー自身の性格が、よりはっきりして来ます。
・...と言ってもまあ、フィクションなんですけどね(笑)。でも多分オリジナルの"ファン"として、本物の性格を引き継ぎながら、更なる解釈を与えている感じだと思いますが。
・一言で言えば、ひどく自分の心の声に忠実な人です。
・そこから来る倫理観や思いやりの気持ちが、見ようによっては時代状況的制約を振り切って断固として発動するので、定期的にはっとさせられるというか行動が予測出来ない部分があるというか。
・一方で「刑事」としても「私立探偵」としても、職業的真面目さは人一倍で、決して「自由奔放」とか「変わり者」というタイプではないので、二つの面のブレンド具合が独特なんですよね。
・と、4話しかないシリーズを若干拡大解釈的に評して来ましたが(笑)、実際こういう経緯の作品ですから作っている方も作りながら考えるというかやりながらキャラが育って行ったみたいな面は、あると思うんですよね。
・そういう変に"生"な感じが面白いというか、段々好きになって来たところで終わっている感じで、もっと見たいなあという。
・上に掲げた輸入盤のレビューも、こういうやや半端な位置づけのシリーズの割りに、妙に高いですよね、少し驚きました。
・まあ4話しか無いので、気が向いた時に見てみて下さい。(笑)


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Posted on 2017/11/17 Fri. 12:09 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(イギリス)

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