死ぬまで海外ドラマ(死ぬ海)

アメリカ、イギリス、中国と欧州各国のドラマ。

"犯人"は誰だ? ~『新・第一容疑者』(2011)  

スカパー"プレミアム15"で数合わせ的に契約した、「シネフィルWOWOW」でやっていたドラマ。
僕的にはかなり良かったんですけど例によって(笑)世評は全然そうじゃなかったみたいで、かわいそうなので1シーズン全部は見てないけどレビュー。(笑)





『新・第一容疑者』(シネフィルWOWOW) (allcinema)

内容

英国の傑作刑事ドラマ『第一容疑者』を、舞台をアメリカにリメイク。
男社会の警察で豪腕を振るうタフな女性刑事の活躍を描く。(公式)


感想

・ああ、主演のマリア・ベロさんが、ちょうどNCISの新シーズンでメンバー入り(まだ見てない)してるのね、ならば実はタイムリーな紹介になりますね。(笑)
ジェーン・ティモニージャック・スローン
・左が『新・第一容疑者』の"ジェーン・ティモニー"、右が『NCIS ~ネイビー犯罪捜査班』(S15)の"ジャック・スローン"
・上、凄くあっさりした内容紹介ですが、ある意味妥当。
"男勝りの女性刑事の活躍する警察もの"という以上の特別な内容は、特に無いです。
・ただ"ヒーロー(ヒロイン)もの"というよりは"リアリティ"もので、そこから想像出来るように所謂群像劇であって、女性刑事が特に活躍するというよりも、女性刑事"も"活躍するという感じ。主人公は主人公ですけどね。
・更に言うと"豪腕"というよりはあくまで"男勝り"であって、つまり男社会をねじ伏せるというよりはその仲間として"溶け込"んで行くというが方が、より近いと思います。
・そこらへんはだから、ちらっとしか見たことがありませんが正に「男社会」に"挑戦"するタイプのストーリーらしいオリジナル英国版『第一容疑者』

とは、違うタイプの作品なんだろうと思います。
・まあ『NCIS』とは、逆に多分相性は良さそう。(笑)

・というわけで何というか、特に"新味"は無さそうな作品ではあるんですが。
・ただその代わり、クオリティは凄い、"職人芸"の極みというか。
・というと『リゾーリ&アイルズ』的な王道娯楽作品をイメージするかも知れませんが、もっと工芸的ですね。より本格的に"リアル"というか。
・『LAW & ORDER』も更に飛び越えて、オリジナル"リアリティ"警察ドラマ、スティーブン・ボチコ(参考)の『ヒルストリート・ブルース』('81)、『NYPDブルー』('93)あたりを直接思い出させるような、"本格"感。
・ただそれを「芸術」でもあえての「ノスタルジー」でもなく、より気楽にというか中立的にというか、"芸達者たちのセッション"みたいな感じでさらっと単品で仕上げている感じが、特徴というか趣味がいいというか。
・実際クレジットを見ると、13話しかないのに監督が8人もいて、その中には『シカゴ・ホープ』ピーター・バーグ『ER』ローラ・イネスといった見知った名前もちらほらしています。
マリア・ベロさんも『ER』出身ですし、何かここら辺はほんと同窓会的というか、気の合った仲間で商売っ気抜きで作ったみたいな感じの雰囲気。
・それでどういうものが出来上がったかというと・・・
・一見するとほんとに往年のボチコ作品的な、ただし特に時代的な("革命"の)切迫感が無い分リラックスした作品という感じですが。
・更に見ていて面白いなと思ったのは、そういう"リアリズム"系の作品が、概して俳優の演技から距離を取って演出の"気配"を消す傾向があるのに対して。
・この作品は前提として俳優の"自然体"の演技を主体としながらも、それに寄り添うように、ある意味積極的に呼吸を合わせて、その演技を引き出すように準備するように、演出の方も"気配"を現すみたいなところがあるところ。
・そういう意味では、"ボチコ"云々というより、上でちらっと言った「セッション感」の方が、形容としては相応しいのかも知れません。
演技と演出の。
・それが可能なのは、多分ボチコドラマのような共通の記憶があって、それを土台に出来るからではないかとは思いますけどね。
・いや、ほんと、なんかリズム感が素晴らしいんですよ。
・"自然体"の演技というのは、往々にしてドラマ的なスムーズさというか端的な快楽からは、逸脱することが多いわけですけど。
・"ドラマ"じゃない"ドラマ"なので。
・でもこの作品の場合はそれを俳優に委ね過ぎない、頼り過ぎない、演出も積極的に関わることで、"自然体なのに調子もいい"という、不思議なバランスを実現している。
・凄く見易い聴き易い。
・"聴き易い"というのは、セリフの発声一つ一つが、スパッとハマるということですけどね。
・その瞬間に凄く、演出の貢献を感じたりするわけですが。
・これら全てを「目指した」のかどうかは、微妙な感じがするんですけど。
・双方"勝手知ったる"中で、自然と出て来たスムーズな協力関係という感じ。
・いやほんと、何か「達人の技」というか良く出来た音楽みたいな感じの作品です。
・めっちゃ楽しかった。(笑)

・...そうそうボチコと言えば、ちょうど今やっているボチコ製作の『MURDER IN THE FIRST/第1級殺人』が、似てる言えば少し似てますかね。
・主役の女刑事さんの、"強い"感含めて。
・それにしても、未だにボチコの日本語Wikiが無いって、どういうことなんだろうなという。作ろうかなという。

・で、表題ですが。
・こんな芸達者の楽しい作品が、1stで打ち切られる低視聴率にあえぐとはどういうことやねん、悪いのは作る方なのか見る方なのかみたいな、そういう意味で「犯人」とか書いたんですけど。
・どうも何というか、ハナからあんまり"ヒット"とか期待しないで、作りたいから作ったみたいな作品に、こうして書いてて思えて来たので、まあもういいかなと。(笑)
・とりあえずうっかりして序盤を見逃したので、今のところ予定は無いみたいだけどまた放送してねシネフィルWOWOWさんと、それだけお願いして終わりにしたいと思います。(笑)
・Huluとか絶対流れないよなあ、こんな地味なの。


(参考)

記事リンクを復活してみることにしました。今回はなるべく簡略に。

新・第一容疑者 (私の趣味の部屋 さん)
「新・第一容疑者」 (独断映画評あらため北米が好き さん)
新・第一容疑者 #1「幼い目撃者」 (ささくれた日々 さん)

最後の記事の「知った顔(俳優)ばかり」というのは、言われてみれば確かに。(笑)
それも含めて"同窓会"とも言えるし、ハナからありあわせの材料で作ったB級作品だったとも、言えるは言えると思います。(笑)


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Posted on 2018/01/26 Fri. 18:22 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(アメリカ)

thread: 海外ドラマ(欧米) - janre: テレビ・ラジオ

tb: 0   cm: 2

コメント

こんにちはー

自分が感じる海外ドラマの合う合わないは、どうもうまく分析できてないんですが、同じ「男勝り」の主人公でも、女として共感しにくいキャラ設定がある気がします。男社会に挑戦してる姿勢ばかり強調されるより、人として職業人としてどう行動するかって事を描いてくれてるだけでいいんだけどなー、と。英国のヘレン・ミレンのほうが、知的で自然で、仕事ができる人間(女だ男だはあまり関係なく)といった人物で、好感が持てました。マリア・ベロは好きですが、人物としての描き方がちょっと雑だったのかな?と残念です。
リンク、ありがとうございました。

URL | びー #-
2018/04/02 15:48 | edit

>男社会に挑戦してる姿勢
これを見て男の視聴者は実際に"挑戦"されていると感じることも多いですし、製作者は(挑戦している女性を)「応援」しているつもりだったりもすると思うので、だとすると不幸なすれ違いですね。

>人として職業人としてどう行動するか
これ自体は分かるというか一種の"模範解答"だと思いますが、それゆえに逆により深刻な恐怖を男に与えるという場合もあるでしょうね。

『新・第一容疑者』の場合は、あれは「男社会」というよりも「男の子の遊び」に自分も参加したいという"お転婆な女の子"風で、そういう意味では牧歌的な類型というか、安心して見られる部分がありました。ドラマ自体の(僕の言う)サークル乗りというか身内乗り学生乗りも相まって、そういうものとしては自然でリラックスした作りだったと思います。マリアさん筆頭に、俳優陣がみんな楽しそうなのが僕は好きでした。

URL | アト #/HoiMy2E
2018/04/03 12:33 | edit

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