死ぬまで海外ドラマ(死ぬ海)

主にスカパー「ドラマセット」で見られるドラマについて語っています

『THE FALL 警視ステラ・ギブソン』[英] (2013) ・・・S3追記  

S2までの内容で一回書いちゃったんですが(下部分)、S3はS3で興味深く見たので、付け足し。



6話しかないので、とりあえず各回のその時の感想を全部貼っちゃいます。

#1
・いきなり「医療ドラマ」でもここまでやらないだろうというくらいの、細密かつ長い長い手術・治療シーンが展開されて、なんだなんだという感じ。
・何か意味があるのかなと考えたくはなりますが、結局前に書いたようにこのドラマは、ストーリーなんか放り出しても"描写"に命をかけている変態的ドラマなので、多分特に意味は無いんだと思います。(笑)
・僕の説の裏書きご苦労様(笑)。まあ意表を突かれたので、逆に"続編"のめんど臭さは忘れることが出来ました。

#2
・相変わらずの、"ジリアン・アンダーソン観賞ドラマ"。ほんと監督の"愛"が伝わって来て笑う。(笑)
・過去のシーズンではステラの下半身の緩さに若干辟易してましたが、『ハンニバル』の"博士"と比べればかなり「道徳的」なので、その正義感が変に清々しく見えます。(笑)
・引き続き無意味にリアルな手術シーン、そして捜査会議で今後のコンプライアンスについて念を押すシーンの迫真性と、ディテールの無闇な強さはやはり今回も感じました。
・ケイティのクソガキぶりむかつく。(笑)

#3
・特別"説明"している感じでもないですが、担当看護婦がピーターに"惹かれて"行く感じは、凄くよく分かります。自然にというか。
・そこらへんも含んでの、「医療」「看護」シーンの執拗な描写なのかと思わなくはないですが・・・どうでしょう。
・突然「臨死体験」の話になりましたが、その為の長い長い手術シーンだった・・・とも、やっぱり思えないな。(笑)
・事件の方も新たなミステリー展開はしていますが、基本的には"シーズン継続"という決定が先にあっての、ならばこの設定を生かして描けることを色々と描いてみようという、そういう成行き的な作りに、このシーズンは感じます。

#4
・この「記憶障害」のエピソードは、どう考えたらいいんですかね。どうやら嘘ではないようですが。
・パターンとしては犯行の記憶の無い犯人を"裁く"意味はあるのかという、広くは責任能力の問題としてテーマ化し得るわけですが、それやり出すと話が大き過ぎて別の話になっちゃいますしね。今までの流れがそれ前提で構成されていない以上、いくらこの監督でもそこまで放埓には作らないと思います。
・それとそういうテーマの前提としては、犯人に観客の同情心を呼び起こすことが必要なわけですが、そして僕は割りと同情し易いタイプなんですが(笑)、この犯人に関しては全然それが無いんですよね。
・具体的に言うと、もし"愚か"で犯行に追い込まれていくタイプなら、哀れみや運命の非情に思いをはせる形で同情心が湧いてきますし、逆に知能犯タイプなら、彼の主張や手口に興味なり一面の真理性を見出して共感したり好意を持ったりするわけですが、この犯人はどちらにも当てはまらないんですよね。
・あえて言えば、その場その場で上のどちらかのアングルを使い分けて、ひたすら自己弁護をしている感じで、全くいただけないですね。基本的にはただの女たらしというか、ひたすら母性本能(?)につけ込んでいるだけに見えます。そう"設定"されているのかもしれませんが。

#5
・「犯人の過去」編。こんな酷い目にあったのでこんな奴になりました。
・どうなんでしょう。正直あんまり、興味無いかな。そこまで元々興味も、増して好意も、この犯人に持っていないというのも勿論ありますし。
・それまでの「描写」に、特に不満が無かったというのも、逆にあります。
・そういうものとして、"飲み込めて"いたので、むしろ興醒めというか。
・もういいじゃないですか、所詮男はみんな強姦魔ですし、女が"女"であるというだけで、それは男にとっては憎んだり殺したりする理由になり得るんです。
・そして"愛する"理由にも。
・...決まった!これでよくないすか?駄目?(笑)
・そういう"狂気"や"絶望"や"不条理"を表現するのにこそ、この監督の資質は向いている気がするというか。変に理由付けされてもね。
・逆にだから、あの犯人を崇拝するクソガキ(笑)が法廷で見せた、四方八方への怒りとかは、筋は通らないなりにすっと入って来ました。

#6
なるほどね。ここ何回か「"犯行の背景"の説明が上っ面で乗り切れない」ということを書いて来ましたが、取り調べの最後にポール・スペクター自身が、「教えてくれよ」と"理由"づけを鼻で笑ってましたね。
・それを浮き彫りにする為の、妙に丁寧な"描写"だったんですね。「記憶障害」も、真偽はともかく少なくともポール・スペクター自身の口からは「理由」を説明させない為の、仕掛け。
・やはりこのドラマは"衝動"そのものを描いているドラマであって、その衝動に"理由"はあると言えばあるけれど、無いと言えば無い。
・必ずしも敵意を持っているようには見えなかった鑑定医への過剰な暴力も、要するに「合理化」されること自体への怒りの発露ということだと思います。彼のアプローチは正しいかも知れない、でも"正しい"からこそ、怒りの対象になる。破壊の。
・ステラのケイティへの"説教"と関連させて言えば、「合理化」への怒りは「救済」への怒り、拒否であり、それはまた「幸福」「幸せ」への拒否とも言える。
・だから「怒り」に身を任せている限りは決して"幸せ"にはなれないよと、ポール・スペクターは"怒り"に身を滅ぼされたと、そう言うわけですね。
・対処法としては、最後に何かバタバタと出て来た、ステラがケイティに、鑑定医がポールにそれぞれに述べた、「外界と内界の区別」あたりがそれにあたるんでしょうけど。「行動」と「感情」の。
・なぜ最後自殺したのかは・・・はっきりしませんね。とりあえずは「合理化」を拒否したように、自分の運命を他人に委ねるのを拒否したということになるんでしょうが。


・・・思ったより場所取るな。(笑)

流れで抜粋すると、

#1~#3
・「"描写"に命をかけている変態的ドラマ」性の再確認。
・今回は特に、医療・手術シーンへの異様な執着が目立つ。

#4~#5
・「記憶」(障害)と「過去」(の説明)エピソードへの疑問
・犯意の不在(記憶障害)と犯人の"悲惨な過去"の描写によって、一見すると犯人の擁護や犯行動機の合理的説明を試みているように見えるが、実際には見ていてそういう意図ははっきりとは感じられないし、何の効果があるのか不明。

#6
・一見丁寧な「過去」の描写は、そこからの合理的説明を犯人に鼻で笑わせて否定する為のネタフリだと、一応納得。
・「記憶障害」も、"では何なのか"という説明を犯人にさせない為の仕掛けと解釈。



となります。そしてそれらをまとめた結論としては、

「"理由"はあるようで無い、(人間の)"衝動"の不条理

を結局は表現しているのであって、更に言えばそれは「ストーリー」(理由・合理)より「描写」(衝動・不合理)に力点を置く、このドラマ自体のスタイルとも重なり合うと、あえて筋を通せばそういう話。


まあちょっと、綺麗過ぎる感じはしますけど。(笑)

ただ事件そのものを割りと勢いで描写すれば出来たシーズン1,2に対して、"逮捕&犯人無力化後"の、一区切りついた後の「続編」であり「解決編」であるシーズン3については、さしもの描写馬鹿(笑)のこの監督(兼脚本)でもある程度はストーリーの明示性や全体的位置づけを考えざるを得ず、それに従って僕の読みも形式性を増したと、そういうことはあると思います。
その一方で、"まとめる"方向で作って来たものを、最後に監督がイーッとなってちゃぶ台返した(笑)、そういう印象もあるんですけどね。つまり本当は、もっと犯人の"動機"の合理的説明について、割りとみんなが納得する形で終わる予定だったのではないか、それを土壇場であの犯人の(取り調べでの)"反撃"とぶち切れがうやむやにした(監督がさせた)、そういう想像ですが。

やっぱりどうしても、犯人の「過去」を説明しているあたりが、(監督の)"魂"が入ってなかった感じがするんですよね。"予定"通り進ませつつ、やりたくないやりたくないみたいな。(笑)
一方でステラは、終始割りと合理一本やりで、犯人の自己弁護には頑として耳を貸さずに、あの強さはあれはあれで嘘ではなかったと思うんですけど。
そこらへんがどうも、矛盾した印象というか、最後まで統一したイメージの描けなかった作品でした。力量的には間違いなく優れた演出と優れた脚本(特に構成よりも内容)によって作られた作品だったと思いますが、どうしても"傑作"と言い切れないところがある。"雰囲気"傑作というか。(笑)


こんなところですかね。
やっぱり蛇足だったかも。(笑)
まあ数々の優れたセリフとぞわぞわするニュアンス豊かな描写に溢れた、楽しめるドラマではあったと思います。
だけど・・・と書き始めるとループ。(笑)





『THE FALL 警視ステラ・ギブソン』 S1&2(スーパー!ドラマTV) (allcinema)

内容

連続殺人犯ポール・スペクターと、彼を追う警視ステラ・ギブソン。
北アイルランド ベルファストを舞台に、追う者と追われる者との手に汗握る心理戦をスリリングに描いた犯罪サスペンスドラマ。
(公式)



レビュー

ジリアン・アンダーソンがエロい
・...ということ以外、特に言うべきことが無い気もする作品。(笑)
・いや、別につまらなくはないんですけどね、"面白い"のかというとよく分からないというか、そもそも面白いか面白くないかという類の作品なのかという点で、疑問を感じる作品だという。(笑)
・製作者がジリアン・アンダーソンをじっくり鑑賞したかったというのが、ほとんど唯一に近い最大のモチベーションなのでは?という。(笑)
・一応言っておくとシーズン2までちゃんと見てますし、シーズン3が放送されたらそれも見るつもりではいます。
・僕もジリアン・アンダーソン好きですし。(笑)

・まあ比較するとしたら、ジェームズ・スペイダー主演のドラマとかに近い構成なのかなと。
・特に『ボストン・リーガル』はそうですね、単に"主演""ハマり役"という以上に、あの人の存在感の全てが演出のディテールを決定してしまう感じ。(ウィリアム・シャトナーと共にね)
・この作品はそこまでではないとしても、では単に"ステラ・ギブソン"を"ジリアン・アンダーソン"が演じているのかというと、それは違うだろうという。
・勿論どのみち存在感は独特な人で、それこそ『X-ファイル』もジリアンのスカリーがあったからこそ、安っぽくならずに済んだみたいな部分は大きかったと思いますが。
・ただそれでもあれは「役」があって「俳優」があるというレベルに収まっていたと思いますが、この作品だともうそれらが"同時"に存在している感じ。少なくとも。
・本当は「俳優が先」と言い切りたいところもありますが(笑)、特に情報を持っているわけではないのでそれは一応控えておきます。(笑)
・とにかくもう、ジリアン・アンダーソン個人の臭いが濃厚で、たまに今の表情にストーリー上の意味があるのか単にジリアンの癖なのか存在感の過剰なのか、読解に戸惑う瞬間があるくらいで。(笑)
・少なくとも"性格"の描写には、少し緩い部分は出てしまっていると思いますね。
・特にステラの性的な放埓さのニュアンスが、今いち最後まで分からなかった。
・一応2で犯人との対決の際に、複雑な父子関係なども語られはしてましたが。
・そのせいなのか単にカジュアルなのか、どうもよく分からない。(笑)
・頼んだらヤラしてれるのかくれないのか。(いや、それは)
・その意味では振り回される男たち(一部女)には、二重に同情しました。(笑)
・だってわけ分かんないもん、この人。ほんとに。

・性格描写の緩さ、またはニュアンスの過剰に関しては、対する犯人側についてもそうな気はします。
・いい男だし立派に気持ち悪いし、怖くもあるしそれなりに切実でもあるんだけど、要するにどういうことなのか人なのか、未だによく分からない。
・なんかニュアンスで遊んでるだけという感じもして、そういう意味ではこの監督の元々の傾向でもあるのかも知れませんね。
・それがジリアン・アンダーソンというニュアンスの化け物を与えられて、暴走しているという。(笑)
・または水を得た魚。
・というわけでストーリーや事件については、余り真面目に追っていません。
・シーン一つ一つを、楽しんでいるだけというか。
・その雰囲気を。ニュアンスを。(笑)
・取り立てて難解ということもないと思うんですけど、あんまり"流れ"ないんですよね。
・シーン一つ一つが過剰なので。
・破綻しているというほどでもないですけど。
・まあ結論見るんですけどね。(笑)


他の人の感想

『イギリスドラマ「THE FALL 警視ステラ・ギブソン」が案外おもしろいということを伝えたい。』(変な映画が観たい さん)
『THE FALL 警視ステラ・ギブソン』(三毛猫如月の玉手箱 さん)
『「THE FALL 警視ステラ・ギブソン」、このイギリス・ドラマは面白い! お薦めです!』(淳一の「キース・リチャーズになりたいっ!!」 さん)

最初のは僕が"ニュアンス"ドラマだと言っている部分を、技術的にかなり詳細に説明してくれている記事で、色々なるほどという感じです。「事件の解決が目的となっていない」というのはほんとそう思います。(笑)
二番目のは真逆で、"確実にキャラ見ではない""ストーリー性で見せていく"作品と受け取って、結論としてはつまらないと(笑)。まあその見方だとそうなるだろうなという(笑)。正直誤解かなと思いますが。
三番目は雰囲気に特徴があると捉えつつ、それを最近の北欧ドラマの影響と解釈されています。確かに似てる部分はあると思いますが、僕的には監督個人の資質とジリアン・アンダーソンの存在が、結果的にもたらした類似性の部分が大きいのではないかと、そう思います。北欧ものはもっとストーリー志向ですしね。事件志向というか。

このように"感想"自体が分かれて面白いというのは、それだけ特徴のある作品だということですよね。
そういう意味では、おすすめ。ただし面白いかどうかは、保証しません。(笑)


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Posted on 2017/06/14 Wed. 15:09 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(イギリス)

thread: 海外ドラマ(欧米) - janre: テレビ・ラジオ

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