死ぬまで海外ドラマ(死ぬ海)

主にスカパー「ドラマセット」で見られるドラマについて語っています

『HOMELAND/ホームランド』(2013)  




『HOMELAND/ホームランド』(FOX) (Wiki)

内容

かつてCIAの作戦担当官だったキャリーは、イラクで命令違反の作戦を実行した責任を問われ国内のテロ対策センターへ異動となる。同じ頃、8年前にイラクで任務中に行方不明となった米海兵隊員ブロディは、無事救出され英雄として帰還していた。だが、イラク滞在中にアメリカ人捕虜がアルカイダに洗脳されたという情報を掴んでいたキャリーは、ブロディが敵の工作員として送り込まれたとの疑いを持ち、恩師ソールの協力を得て彼の身辺を秘かに探り始める。
一方、戦場での深いトラウマを抱えたブロディは、愛する家族や周囲の環境になかなか馴染めず苦しんでいた。そんな彼に強い共感を覚え惹かれつつも、テロの現場で培った経験からブロディがクロだという確信を深めていくキャリー。しかし、ブロディを英雄視する周囲の人々は彼女の直感を信じず、もともと双極性障害を抱えている上に独断に走りがちなキャリーは孤立していく。
やがて明かされていくブロディのイラクでの8年間。彼は本当にテロリストなのか?
(公式)



レビュー

・一応シーズン3も見始めたんですが挫折してしまったので、主に1と2についての感想です。

・「対テロ戦争」、しかも「米軍兵士の裏切り」というシリアスなテーマを扱うだけに、「下手な作品には出来ない」という気迫はびんびんに感じましたね。
・と同時に、"ホット"なテーマを扱ったヒットを期待される"大作"として、「外すわけには行かない」という、やや邪しまな(笑)"気迫"も。
・最終的にどうも、この「良心」と「打算」のバランスのようなものが、終始上手く行かなかったというか融合し切れなかったところがあって、"傑作"になり切れなかったかなあという。
・"仏"作って"魂"入らずというか、見ててどうしても、頭の一部が醒めてしまうところがありました。熱中し切れない。
・いいところは少なからずあるんですけどね。
・"米軍兵士の裏切り"をセンセーショナリズムや陰謀話に頼らずに正面から描写したテーマ性、と同時に「人間ドラマ」性にも頼らずに、『24』的なものとも真向勝負の、"ジェットコースター""超展開"を隙間なく詰め込んだ練られたシナリオ/ストーリー。
・俳優陣も主役の"裏切り米軍兵士"にあえてイギリス人俳優を使ったことに代表される、非常に癖のあるというか凝った配役で、単なる"アメリカ"的な国威発揚ドラマに堕ささないようにという、意志を感じるもの。
・その娘(デイナ)役の、適度なブサ加減(一応可愛い部類)や適度なアホティーンエイジャー(ただし本質的には馬鹿ではない)ぶりも、なんかリアルで良かったです。
・ブロディ(裏切り兵士)については、「ムスリム」設定が驚きましたが、それがちゃんと説得力を持っていて、そのことにも驚きました。

・...と、いうように美点を並べ立てると"絶賛"しているようになるんですけど、なんかなあ。(笑)
・素材も仕込みも十分なのに、仕上がりがどうも突き抜けない。
・では演出の腕が悪いのかというとそんなことはなくて、扇情的になりそうな厄介なテーマ性と複雑な人間関係、それにハードな諜報活動描写を破綻させずに品格を持ってまとめ上げていて、間違いなく力のあるスタッフだと思います。
・では何が足りないのかというと・・・?(笑)やっぱり。
・よく仕上げてある、よく仕上げてはあるんだけど、どうもそれが単なる"理"の領域にとどまっているというか、「まとめ」てあるだけというか。
・もっと些細なドラマでも感じられるような、作り手の"本気"が感じられないというか。"愛"が。
・結局そこらへんに感応する形で観客は引き込まれるわけで、色々やればいいというものでもない。
・足し算では。
・足し算も大事ですけど。あんまり総和が小さいと、話題にもされないし。(笑)
・理由としては一つは、今回Wiki見て初めて知ったんですが、「イスラエルドラマの翻案」であるというのが、一つあるのかなと。
・...『HOSTAGES ホステージ』もそうだし、流行ってるんですかね。あるいはイスラエルのテロドラマのクオリティが特に高いとか。
・とにかく元々自分のアイデアではないので、入り込み切れないという。
・『HOSTAGES ホステージ』の場合はある意味職人的というか、サスペンスの"物理"に徹して作ってるところがありましたが、この作品の監督はどう見てもそういうタイプではない。
・俳優のチョイスのせいもありますが非常に湿度の高い、しばしばややクドいとも感じさせる演技を俳優にさせる人で、どちらかというと"美学"型というか"作家"型の人だろうと思います。
・よくまとめてはあるけれど、ひょっとしてこういうサスペンスというか、がっちりしたストーリーのあるものは本領ではないのかもなとか。
・まあ分かりませんが。

・もう一つの可能性、これは最初から、リアルタイムで感じていたことですが、"大作"ドラマを"成功"させるプレッシャーに、終始追いまくられてしまったのかなというのがあります。
・シーズン1でここらへんで分かり易く露骨だったのは性的"サービス"(笑)の過剰で、CIAの内偵先のアラブの王子の愛人の"オーディション"シーンや、その王子と潜入捜査員の愛人のセックスシーン、あるいは"サービス"と言えるかどうかは微妙ですが(笑)ブロディのマスターベーションシーン、これらがストーリー的必然という以上の"配慮"で、意図的に挿入されていたと思います。
・ああ、あとブロディの妻と(ブロディの)親友のあれも、その前にありましたね。あの時点でちょっと、クドいなとは思ってましたが。
・ブロディと(もう一人の主人公)キャリーの"愛"はストーリー上のキーなので、丁寧に描写するのは一応分かるんですけど、それでもどうも"その"シーン自体にはポルノ的な臭いを感じます。
・こうして見ると、この監督元々そういうもの自体は好きなんでしょうね、多分。(笑)
・別に笑いごとではなくて(笑)、「サスペンス」よりも「愛欲」が得意というか。
・まさかそれで起用されたということはないでしょうけど、そういう監督の"得意"と、ヒットさせたい企画側の"サービス"欲求が変に一致したというか。過剰に。(笑)
・ありていに言って、そのシーン自体は魅力的です。"ポルノ"としての性能は高いというか。
・ただドラマとしては微妙に浮いてるというか、パワーアップというより流れを止めてる感じ。すっと見れない。
・"お茶の間"では厳しいし(笑)。まあ元々ケーブルらしいですけど。
・とにかく恐らくは監督の、技量はともかく資質と素材のミスマッチもあって、手抜きなく作られた力作ではあるんだけど、どうもわざとらしいというか作り物感が強いというか、見てて落ち着かない感じが終始していました。
・狙いとしては、"リアル"な作風なだけにね。
・仏作って魂、入って入るんだけどちょいちょい脱魂?(笑)

・うーん、惜しいなあ。
・優れたディテールも、優れた演技も沢山あるんですけどね。
・当面"完成度"は高いので、評価している人がいても全然おかしいとは思いませんが。
・楽しみに見ていた時期も、途中確かにあった。
・でもこうして書いてても、他のもっとざっくりした作品に比べても、自分の熱の無さ(笑)を隠し切れません。
・もっと書くことは沢山ある"問題作"なんだろうけど、そそられない。
・"シーズン"の流れとして言えば、1stシーズンはやっぱり緊張感はありましたね。
・ブロディがスパイなのかどうか、本当に最後まで分からなかったですし。
・2ndに入ってからも、つまりブロディの正体がバレてからも、逮捕されて終わりかと思ったら次の展開があって、その展開のさせ方には結構感心しました。(まあ原作通りなのかな?)
・ただ"山"としてはその二つくらいが限界だと思うので、プロディ逃亡後の3rdシーズンは、もういいんじゃない?という感じにはどうしてもなってしまいました。
・それまでの内容のシリアス性、"テーマ"性の高さからすると、「展開」だけで延々引っ張るタイプの話ではないだろうという。
・ただの"スパイ・サスペンス"ではないわけで。
・で、そうして内容への興味が失われてみると、演出の湿度の高さと重苦しさが、しんどくてしんどくて。(笑)
・演奏力はあるけど曲のつまらないバンド(またはアルバム)を、延々聴かされている感じ。
・というわけでいったん脱落。暇な時にまたチャレンジする可能性は無くはないですが。

・うーん、評価難しいですね。既に"切った"作品ではあるんだけど、優れたところも、間違いなく沢山あった。
・"傑作なり損ね"というくらいの評価が、落ち着き所かな?
・CIA爆破後にキャリーの後釜的に出て来たムスリムの女性分析官、"ファラ・シェラジ"(ナザニン・ボニアディ)がドキっとする程綺麗で好き。
・ぶっちゃけヒジャブは、女性を綺麗に見せると思うんですけどね。(笑)
歯科衛生士のマスクみたいなもの?(笑)
・こんなところで。


他の人の感想

・・・うーん、ググって見てみた限り、びっくりするほど反響が薄い感じ。
もっと話題作かと思ってましたが。日本ではまだ見てる人が少ないのか?
あることはあるんですけど、なんか僕が挙げた"色々な要素"を並べ立てて褒めてる、そういうわけでもないんだろうけど"番宣"的な薄い感想が多くて、そういう見られ方かあという。
いや、褒めてる人はまあまあいるんですけど、賛否無いのが怪しいという。(笑)

代表でこちらでも。
『新ドラマ HOMELAND シーズン1開始 !』(大好き海外ドラマ&恋して外国映画 さん)
「HOMELAND/ホームランド」シーズン1・感想と評価【海外ドラマレビュー(ごきげんプラス!映画や海外ドラマを楽しむブログ さん)

上は個人ブログ、下はもっと商業色の強いブログですが、トーンが別に変わらないという。(笑)

さがゆりこ的海外ドラマのすすめ ~高評価の「HOMELAND」、その半分は主演女優クレア・デインズの怪演にあった!?[その①](tvGroove BLOG さん)
こちらは商業ブログなりに、結構突っ込んだことを書いてあって面白いです。

ネガティブな感想も挙げておきますか。
HOMELAND/ホームランド(海外ドラマ新番組情報 さん)

例えばこういうタイプの感想が、もっとあるかと思ったんですけどね。


結論的に言うと、ハードなスパイ・サスペンスではなくて、ドロドロのメロドラマとしてむしろ(主に女性に)見られていて、実は『アウトランダー』同カテゴリーだったという感じ。
意外だ(笑)。(また)最初から間違ってたのか、僕は。(笑)


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Posted on 2016/02/05 Fri. 22:08 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(アメリカ)

thread: 海外ドラマ(欧米) - janre: テレビ・ラジオ

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