死ぬまで海外ドラマ(死ぬ海)

アメリカ、イギリス、中国と欧州各国のドラマ。

『ザ・ファインダー 千里眼を持つ男』(2012)  

THE FINDER1
THE FINDER2


『ザ・ファインダー 千里眼を持つ男』(FOX) (映画.com)

内容

米FOXの人気ドラマ「BONES」のスピンオフ。小説『The Locator』シリーズを基に、誰にも見つけられない探しモノを確実に見つけ当てる千里眼を持った、"ファインダー"として生活する主人公ウォルターの活躍を描く。ジェフ・スタルツが主演。 (公式&映画.com)



レビュー

少し、"項目"の中身を具体的にしてみました。(カッコ内)

企画(設定のユニークさやテーマの斬新さ) ☆☆☆☆★

"ドラマ"の企画としては多分、よくある異能主人公もの、同じFOXで言えば『リスナー 心を読む青い瞳』的なイメージで、割りと安易に作られたような気もします。邦題の付け方も含めて。(笑)
また"人気ドラマ「BONES」のスピンオフ"という位置づけも、これもまあ、安易と言えば安易。
ただ一方で原作小説は原作小説として別にあるようですし、"スピンオフ"としても割りと取ったつけたようというかBONESそのものとの関係性も薄い感じなので、恐らくは原作に惚れ込んだBONESの製作者が、スピンオフにかこつけてそれなりの思いを込めてドラマ化を実現した、そっちが本筋というか本意なのではないかなと。
だからどちら基準で評価するのかが、少し難しい。本来はあくまで"ドラマ"としてのみ評価するのが公平とは思うんですが、後で書くように"ドラマ"としてのこの作品の良さ自体が、"小説"的なところにある気がしますし。
で、そもそもの「ファインダー」という設定そのものに目を移すと、異能は異能なんですがずばり"超能力"なのかというとそういう感じでもなくて、特異な直観力には基づきつつも、"易"(えき)的というか想像力をツールを使って外部化したような独特のシステマティックな面もあるし、勿論過去の脳損傷による影響というか僥倖というか、そういうものも関係しているよう。ドラマ内でそれは最後まで"明らか"になってはいなかったと思うんですが、そこらへんの謎めいたところも含めて僕にはとても魅力的で触発的に感じられたので、そこを評価して星4つ☆☆☆☆としました。
まあ最後は要するに好き嫌いになりましたが。(笑)

ストーリー(展開の面白さ、または内容の意味深さ) ☆☆☆★★

良くも悪くも小説的、なのかな?
シリーズを通して追求する大きな謎や強大な敵がいるわけではない。
でも一話完結で各エピソードのキャッチーさ、コンパクトなクオリティで勝負するタイプでもない。
たいていの場合どちらかをギリギリの洗練度で競っているアメドラの世界の中では、やや牧歌的な感じはしますが、かと言ってイギリスドラマ的な、雰囲気重視の若干スローな"世界観"ものでもない。あくまで"アメリカ"の範疇ではある。
何とも分類不能というか、位置づけが難しいというか(笑)。最初からTVドラマとして作られる作品ではこういうことはまず起こり難くて、いかにも小説ベースの作品ではあると思います。
ただじゃあメリハリが無くてダルかったかというと全然そんなことは無かったし、毎回普通に楽しかった。・・・むしろ"ギリギリの洗練"を目指していない気楽さというか風通しの良さみたいなものもあって、凄くリラックスして楽しめた時間でした。
ただ生き馬の目を抜くアメドラの世界の中に埋もれるとやはり少しアピールが弱いところはあって、それが人気が盛り上がり切らなかった理由では間違いなくあるだろうと思うので、"評価"としてはこうしました。

人物(キャラクターの魅力、あるいは心理描写の妙) ☆☆☆☆★

(BONESの"スピンオフ"としての)初出時、BONESの面々とFINDER一派(笑)との絡みは面白かった。
特に時間は短かったですが、ブレナン博士とウォルターの"対決"は凄い緊張感でした。普段優しい仲間に囲まれて少なからず凡人化しているブレナン博士の"奇人"ぶりが、久々に全開になったというか本領を発揮したというか。(笑)
それに一歩も引かないウォルターとブレナンの関係は、『BONES』でのブレナンと周囲の関係が要するに"理性と感情"でしかないのに対して、こちらは"違う種類の「知性」の対決"という感じで、"構図"に還元されない分、情報量が凄く多くてどきどきしました。ブレナンとウォルターも、"好敵手"との対決で何か嬉しそうに見えましたけどね。(笑)
まあBONESの知性・理性の描き方が少なからず陳腐だという話は『BONES』のところでも言いましたが、それを再認識させたと言えばそう。「人物描写」のレベルとしては、こちらの方が2ランクくらい上だと思いますけど、それもまあ小説が原作ゆえだと言えばそうなのかも知れません。その分複雑で、多少分かり難くもあるのかも知れません。(ドラマとしては)
ウォルターの「知性」の複雑さについては上の"設定"のところで概ね説明しましたが、他のキャラクターも良かったです。特に良かったのはウォルターが"拾っ"たロマ族出身の不良少女ウィラ・マンデイで、ろくでもない環境に育ったゆえに素行不良ですが、本質的には物凄く頭のいいコで、それがウォルターに導かれて更生・・・しかけるんだけどでもどうしても"ロマ"の出自に逆らえない、その感じがリアルというか不思議というか。
ロマが単なる犯罪組織、"悪の集団"ではないだけにね。何を恐れているのか何にこだわっているのか。それにウォルターはどう対決するのか。
元恋人の女刑事とのつかず離れずな関係も、そこは割りとアメドラでも定番的ではありますが(笑)、良かったです。

演出(テンポの心地良さや雰囲気に引き込む力) ☆☆☆☆☆

出ました満点。星5つ☆☆☆☆☆。出したの自分ですけど。(笑)
結局そこですかね。まあ僕はたいていそこなんですけど。
"演出"に大きな特徴、持ち味のある作品としては、過去に『ステラ・ギブソン』などもそうでした。
ただステラ・ギブソンではそれが"雰囲気"偏重で要するに何なのか、面白いのかどうなのかよく分からない、あるいはディープで湿度の高い描写に溺れて多少なりともダルい感じになるという、そういう難点がありました。
しかしこの作品では、ウォルターという独特な性格の主人公の恐らくは精神世界の反映としての"独特"な雰囲気、南国の少し気怠くて万事曖昧なところのある人物たちや人間関係の幾分かのダルさ、それら全てが最終的に一つの"テンポ"として、リズムとして、ひいては「音楽」としてのそれに近い完成感でもって構成されていて、実に僕には快楽でした。複雑な内容を、頭をリラックスさせて楽しめたというか。
・・・そうですねえ、あたかもよく出来たサイケデリック系のロックのような。アメリカの'60年代後半から'70年代半ばの、フォーク系のポップ・ロック。ジェファーソン・エアプレインとか。あるいはグレイトフル・デッド。
ああ、"レイド・バック"してるなんて言い方もあるか。なるほど。(一人で納得)
とにかく凄く、"音楽"的に感じる作品だということです。"音楽"に近いレベルまで、演出が全体のコントロールに成功しているというか。気持ちいい。とにかく気持ちいい。
映画だとまあまあそういう作品はあるけど(監督優位の)、TVドラマでそれをやって、しかし変に芸術的に大げさにならずに、"軽快"感をキープしているというのは、ちょっと余り他に例を思い付かない。
まあ何というか、既に成功している『BONES』という作品の名目上のスピンオフとして、制作者がそんなにヒットも気にせずに趣味で楽しく作った感じの作品なのかなという。(笑)
考えると『BONES』自体にも、大ヒットシリーズでありながら、妙にプレッシャーから解き放たれた、"趣味"で作ってるような臭いはありますよね。その製作陣が、より"趣味"的な原作を得て、こういう作品を作ってみたという、そういう感じかと。
とにかく僕には、忘れられない作品です。例え人気無くても(笑)。毎週楽しかった


他の人の感想

聞きますかあ?別にいいんだけど。(ぶつぶつ)

ザ・ファインダー 千里眼を持つ男/シーズン1 シーズン終了。 (海外ドラマ:つぶやき処 さん)

「個人的には重いテーマではないのが見やすくて良かったけど、だから視聴者が離れていってしまったのかな?と思うところ。ウォルターの軽さが本来のものでないとしても、段々魅力的に見えて良かったと思うんですけどねー。」

なるほど。色々と分かり易い。
重くない、"テーマ"性が分かり難いということと、ウォルターのパーソナリティを含めた"軽さ"を例えば僕のように「音楽」的に感じられないと、いったい何なのこの人たち、という感じになっちゃうんでしょうね。

「BONES(ボーンズ)」 スピンオフ「ザ・ファインダー 千里眼を持つ男」 (石川洋子《作家》夢の途中 さん)

「のどかーな雰囲気で、確実に外しまくりながら話が進んでいる。ピースが合うべき所へぴったり見事にハマっていない。ズレっぱなし。」

だから。それが"レイド・バック"なんですよ。狙って外してるんですよ、分かんないかなあ。
と、軽く喧嘩腰。(笑)

ザ・ファインダー 千里眼を持つ男 (chat*chat CAFE さん)

「どうしてこれが「BONES」のスピンオフ作品なんだ?と首を捻る点」
「主人公ウォルターの特殊能力が分かり辛い」「ウォルターがその能力を発揮する過程が、これまた分かり辛い」


ごもっとも。(笑)
ここらへんがまあ、普通の感想でしょうね。


でも何というか、思いの外ちゃんとした「感想」があって、良かったです。
もっと無視されてるかと思ってた。(笑)
とにかく僕は好きです(笑)。結局上手く説明出来なかった気がするけど。(笑)


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Posted on 2016/05/06 Fri. 18:11 [edit]

category: 2010-2014年のドラマ(アメリカ)

thread: 海外ドラマ(欧米) - janre: テレビ・ラジオ

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